3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ12)

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本当の気持ち ③ ページ12

《岩田side》

岩｢――――――……A！！｣

――――――。

……そっからはあんま覚えてない。

遠くのほうで色んな声が飛び交ってて。

俺の大好きな人が

一生懸命に俺の名前を呼んでる。

でも顔も見れないし、

近くにいるって感じがしない。

｢……岩ちゃん！……岩ちゃん！！｣

あれ？

もしかして、こいつ泣いてんのかな？

声色がいつもと違うな。

俺、ほんとダメだね。

Aのこと泣かせてばっかり。

いつから笑顔にさせてやれてないんだっけ。

Aは笑顔が一番似合うのに。

いつも泣かせて辛い思いさせて

悲しい思いさせて……。

Aのこと好きでいる資格さえも

もうきっとねぇけど。

でも、いつだって想ってたよ。

Aと付き合う前も

もちろん付き合ってからも

Aが離れていってからも。

ずっとずっとAは特別で

俺の唯一大切な人。

だから、もう泣くなよ。

岩｢……笑って……っ｣

うっすら開けた目から

ぼやーっとAの顔が映った。

ほら、やっぱり泣いてる。

なんでそんな泣いてんの？

メイク落ちるよ？

岩｢A…………。｣

手を伸ばした。

Aの涙を拭いたくて。

届いたかな？

わかんねぇや。

気づけば、夢見てた。

すげぇ幸せな夢。

Aと一緒になれて

またメンバーにも祝福されて

Aの家族とか友達とか

本当に俺たちが知ってる人たちから

すげぇ祝福される夢。

俺の隣で今までにない最高の笑顔を

俺に向けてくれんの。

そんなAをめいいっぱい抱きしめて

抱き上げて2人で笑いあって。

これからもずっと一緒にいようね。って。

大好きだよ。って

言ってくれんの。

それから

俺も。って返して。

また小さな身体を抱きしめて。

ねぇ、A……。

今見ている景色が

俺がずっと望んでたことだよ。

……お前がいい。

これから傍にいてくれんのはお前がいい。

もう、お前以外なんにもいらない。