3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ11)

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本当の気持ち ② ページ11

《岩田side》

俺とAが撮影現場に着いたときには

他の役者さん、スタッフさん、

そしてエキストラの皆さんが勢ぞろいで。

｢……凄いな～｣

って言葉零してるA。

そしてこっちに駆け寄ってくる

EXILEの最年少、大樹。

｢お疲れ様です！｣

岩｢お疲れー｣

｢お疲れ、大ちゃん！｣

先に乱闘シーンを一部撮影したであろう

ほかの面子たちはメイクによって

顔なんて血まみれだった。

今回、コブラとA演じるシーナが

不在時にイトカンが襲撃され、

ヤマトがボコボコにされて

それの復讐で乱闘が始まるっていう内容。

まあ言えば、かなりの見どころのところだったりする。

大｢コーヒーどうぞ｣

なんて俺達に冷たいコーヒーを渡してくる

出来た後輩。

岩｢さんきゅー。だいぶぴりぴりしてんね｣

大｢そうですね、でもいい感じに撮れてますよ｣

｢……あたしたちも頑張んないとね｣

岩｢そうだな｣

俺達が挑むシーンは、

ボロボロにやられていく山王連合会を

助け出すシーン。

そりゃもう、責任重大な見せどころ。

Aもいつもより気合い入ってるし。

メイク直しをして

始まる撮影。

コ『……てめぇら、死にてぇのか』

チ『コブラ、さん……っ』

横たわってるチハルやダン、テッツ。

近くにいたチハルに手を貸すシーナ。

そんなシーナの背後から鉄パイプを振りかざす男を

あっけなく倒していくシーナは

そのままチハルを担いでいく。

チ『シーナさん、ごめんな、さい』

『……あたしらが来るまで待ってろよ』

チ『すみません……っ』

『……ごめんな、無理させて』

チ『……っ！』

『……あとはあたしとコブラに任せろ。

ここで休んでな』

隅の壁に背を預けさすようにチハルを運べば

コブラのところに戻りながら

数人の敵を倒していく。

テ『ははっ……強ぇ～……っ』

ダ『……あいつらほんま人間離れ、

しとるんちゃう、か……っ』

血まみれで倒れてるテッツとダン。

そしてコブラとシーナは互いの背中を合わせて

敵に挑んでく。

かなり練習が必要だったこの乱闘シーン。

練習通りしてた。

練習通り。

誰もが予想してなかった。

ぱっとAをみたときと

危ない、っていうスタッフさんの声が一緒で。

……俺の体が勝手に動いてたんだ。