優越感 ページ6
朝目が覚めると、すぐ目の前に実弥さんの姿があった。
…そうだ昨日、あのまま眠ったんだっけ。
いつかは言おうと思ってた前世のこと。
本当はまだ言うつもりはなかったんだけど。
あんな不安そうな実弥さんの顔を見てたら
言わずにはいられなくて。
孤独な気持ちが少しでも無くなってたらいいけど。
隣で眠る実弥さんの顔をじっと見つめた。
そういえば全然気にしてなかったけど、
前世のときにあった傷は全くないんだなぁ。
あたりまえか、怪我をすることなんてもうないんだもんね。
本来ならばあったであろう、顔にあった傷の場所をそっと撫でた。
綺麗なその肌にずっと触れておきたいなんて考えてる自分がいた。
「…おいっ」
「…わっ！…ビックリした…。…起きてたんですか？」
「いや、今起きた」
「…おはようございます」
「…はよぉ」
至近距離で交わす会話がこそばゆくて、
未だにこの状況下が信じられないでいるけど、
ただただ幸せだった。
「実弥さん」
「ん？」
「ギューしてください」
「…はっ？」
「ギューって！」
私が急にそんなことを言うもんだから、ちょっとだけ頬を赤らめて目線を外す実弥さん。
でもすぐに言葉を発する。
「頭あげろぉ」
「頭？」
「早くしろぉ」
言われるがまま少しだけ頭をあげると
そのあげた隙間に実弥さんの左手が入ってくる。
俗にいう腕枕をしてくれた後、そのままそっと引き寄せられる身体。
「ふふっ」
「んだよ」
「嬉しすぎてにやけます」
「……んなん、俺もだぁ」
「本当ですか？」
「嘘ついてどうすんだよ」
「…実弥さんって心を開ききったらデレですよね」
「悪ぃかよ？」
「…全然。むしろ、優越感です」
「優越感？」
「だって私にだけでしょ？デレがでるの」
「…たりめぇだ。」
朝からする会話にニヤけがおさまらない。
ずっとずっと孤独だった彼を
そして孤独にしてしまった過去の罪を背負って
私はこの人の隣に居続けようと心の中で誓った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結愛(プロフ) - 唯梨さん» 嬉しすぎます、体調不良で更新止まっててごめんなさい。最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年2月20日 16時) (
レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 不死川さんめっっちゃかっこいい…っ！更新楽しみにしてますっっ！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 柚葉さん» 切甘になっちゃいました。コメント凄く励みになります、ありがとうございます！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙でスマホがヤバいことになりました。不死川さん切なすぎる！ (2021年1月30日 13時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - さねみん推しさん» 変更させていただきました。 (2021年1月29日 23時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結愛
| 作成日時：2021年1月29日 20時
