過去の自分を捨てて ページ5
あの日死んでしまったAも、苦しんでいたんだろう。
俺がいつもメソメソしてっから。
抜け殻のように、前を向けず泣き散らかしていたから。
心配でずっと側にいてくれたんだろう。
現代で再会を果たして変わった俺を見ても
そんなことはないと疑って。
ずっと愛情を俺に向けてくれてたんだな。
堪らなく愛しい気持ちが込み上げて、抱きしめる力は強くなった。
あの遺書を忘れてたこと、
そして思い出した今、全ての不安や悲しみが吹き飛んだように思えた。
「……実弥さん」
そう俺の名前を呼んで、同じように強く抱きしめ返してくれるA。
「…ずっとずっと大好きです」
そう何十年にも及ぶAの愛を、今確かに受け取った気がした。
あの日お前を守れなかったこと、約束を果たせなかったこと、
前世を越えて今、それを実現させたい。
「…こんな俺を、想い続けてくれてありがとなぁ」
「実弥さんは世界一素敵な人です！」
「…ふっ、そうかよ」
「はい！」
その夜、俺達は狭いシングルベッドの中で身を寄せ合って眠りについた。
俺の胸に顔を埋めて眠るこいつを、今度こそ守ると誓いをたてて。
Aの髪をそっと撫でながら、今までにない程の幸せを噛み締めた。
すげぇ女だと思う。
こんなにも俺を想いつづけてくれるやつは
もう二度と現れねぇだろうな。
「実弥さん…っ」
そう寝言でも俺の名を呼ぶAを心底可愛いと思う。
愛しくて愛しくて、まさか鬼のいないこの世界でもう一度Aを抱きしめることができるなんて思わなかった。
こいつの幸せを願った。幸せでいてくれたらそれでいいと思っていた。
なのに、いつも心の中は土砂降りだった。
それはきっと、俺がこいつを幸せにしたい思いが一番強かったから。
もうやめだ。
めそめそ考えんのも、過去を引きずるのも
そんな暇があれば今この時をこいつの笑顔の為に過ごしていきたい。
「…A…っ。…愛してる」
静かな寝息をたてるAにそう言い、
その頬にそっと口付けた。
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結愛(プロフ) - 唯梨さん» 嬉しすぎます、体調不良で更新止まっててごめんなさい。最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年2月20日 16時) (
レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 不死川さんめっっちゃかっこいい…っ！更新楽しみにしてますっっ！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 柚葉さん» 切甘になっちゃいました。コメント凄く励みになります、ありがとうございます！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙でスマホがヤバいことになりました。不死川さん切なすぎる！ (2021年1月30日 13時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - さねみん推しさん» 変更させていただきました。 (2021年1月29日 23時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結愛
| 作成日時：2021年1月29日 20時
