聞きたくない ページ19
「美味しすぎた、幸せ〜」
そう最後白ワインを飲みきりそういう私。
よかった、今日は全然意識ある。
ほろ酔いって感じ。
酔っ払って実弥さんに迷惑かけれないし、
何より明日は旅行だし、今ぐらいがちょうどいい。
「じゃあ、出るかぁ」
その言葉を合図に席をたつ私たち。
お会計は、払うって何回も言ってるのに結局実弥さんが全部払ってくれた。
「いつもごめんね」
「クリスマスぐれぇかっこつけさせろぉ」
そう言って私の頭を優しく撫でる。
かっこつけなくても、いつもカッコイイんだけど。
お店を出てホテルまでの数分の間。
「あれ？不死川？」
なんて声が前から聞こえた。
数人の男の人たちで、久しぶりじゃーん、なんてこちらへとやってくる。
「…あ、大学一緒のやつ」
「そうなんだ、こんばんわ」
「こんばんわ〜！」
男の人は酔っ払っているのか、実弥さんの肩に腕をまわして、ハイテンションでからんでいる。
それを端の方から見つめていた。
そしてその男の人は私をじっと見たあとにっこり笑って、実弥さんに問いかける。
「…彼女？」
「あぁ」
「あれ、また変わったんだ？…いいねぇ、モテる男は」
また変わったんだ？
何、その言葉。
それ、私の前でいう？
ていうかもうすぐ付き合って一年だし、何も知らないのになんなのこの人。
「てか大学入って何人目だよ、すげぇな！」
……。あ、もう無理だ。
ここにいたくない。
「……実弥さん、私先行ってるね」
「…！…おい、A！」
実弥さんの引き止める声もちゃんと耳に入ってた。
でも歩き出した私は振り返りもせずにそのままホテルへと足早に向かう。
こんなに速く歩いたことなんて滅多にないってぐらいのスピードで。
過去のことは、仕方ない。
今の実弥さんが私の全てだから。
それに付き合えたあの日から、どちらも気を使ってこういった話を全くしてこなかった。
だから、思い出すことも考えることもなかったのに。
過去にヤキモチをやいたって仕方ない。
分かってる、そんなこと。
それに寂しい思いをさせてしまった私も原因だし。
でも。
…聞きたくなかった。
「…せっかくのクリスマスなのに…。」
なんてぼそっとそう呟いた。
今にも溢れてきそうな涙を堪えて。
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結愛(プロフ) - 唯梨さん» 嬉しすぎます、体調不良で更新止まっててごめんなさい。最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年2月20日 16時) (
レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 不死川さんめっっちゃかっこいい…っ！更新楽しみにしてますっっ！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 柚葉さん» 切甘になっちゃいました。コメント凄く励みになります、ありがとうございます！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙でスマホがヤバいことになりました。不死川さん切なすぎる！ (2021年1月30日 13時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - さねみん推しさん» 変更させていただきました。 (2021年1月29日 23時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結愛
| 作成日時：2021年1月29日 20時
