５５杯目 ページ5
深「……はぁぁ、」
「…何そのため息」
「私じゃ満足しなかった？」
布団の中、俺の腕に頭を乗せて見つめてくる彼女の髪を手で梳きながら、さっきまでのことを思い出してつい出たため息。それに対して唇を尖らせて不満そうな顔のAちゃん。
可愛くてチュッと口付けすれば、真っ赤にさせて。
でも俺の中は罪悪感でいっぱい。付き合う前に手なんて出して、つい数時間前までの我慢はどこいった？
マジでダメだって…こんなの…
このままじゃ、だらだら体だけの関係続いちゃいそう。
深「……ねえ、今日限りにしよ？」
「気持ちくなかった？」
深「まさか」
深「すんごい気持ちよかったよ？」
深「でもさぁ、Aちゃんとはちゃんとしたいし」
「ちゃんと？」
深「だらだら体だけの関係になりたくないってこと」
深「だから、今日限りにしよ？」
「……」
深「なぁにその不満そう顔」
深「そんな良かった？」
「……わかんないけど」
深「でもぶっちゃけね、俺ら相性めっちゃいいよ」
「ふーん？」
深「Aちゃんはこのまま体だけの関係続けたい？」
「そういう訳じゃないけど、」
深「なに、今日のこと忘れらんないって？」
「そんなこと一言もいってない」
深「顔に書いてる」
「……」
深「ごめん、うそ笑」
「…ばか、きらい」
深「ねえ、嫌いとか言われたら傷つくよ〜？」
「……きらい、じゃない…」
深「んは、かぁいい」
深「次はちゃんと付き合った時にしよ？」
「付き合わないかもよ？」
深「いーや、付き合うよ」
深「絶対Aちゃんが折れる」
深「んですぐしたくなっちゃうんでしょ？」
「勝手に妄想しないで」
深「でも今日のこと忘れらんないでしょ？」
深「きもちかったもんね？」
「ねえ、」
深「なぁに」
「もうほんとやだ、」
深「Aちゃん可愛かったよ？」
深「さすが声優と言うか、声がね＿＿＿いてっ、」
「それ以上言ったらほんと怒る」
顔赤く染めてキッと睨んで言うそれに怖さなんて一切なくて、むしろ今の俺にはそれすら興奮材料って気づいてる？
深「ほんとかあいいね」
「ん、ふっ…か」
深「ん？」
「きょ、限り…っ」
深「でも、まだその “今日” は終わってないでしょ？」
深「もっかいだけ、ね？」
隣で寝転がるAちゃんの上に跨ってキスすれば、艶っぽい顔で俺を見つめてくるから、ダメだって分かってても、今日限りだからって言い聞かせて抱いた
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作成日時：2023年6月4日 0時
