【紫】素直じゃない２人 (ページ28)

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７８杯目【過去編】ページ28

ふっかと再会した日…彼の家に行ってから、そろそろ1週間。あの日以来ふっかとは連絡すら取ってないし、呑みにも行ってない。

彼らのドームツアーが始まることもそうだけど、ふっかとどう接していいか分からなくなったのが本音。押し倒された瞬間、ビクともしない力に意識せざるを得なくなった。

泣くつもりなんてなかったのに、ふっかだからって安心してた私も悪いのに。

【 ……ばかだなぁ、】

？【今更気づいたの？笑】

私の独り言に口を挟んで来たのは、同じ声優仲間の寺島拓篤さん。年齢は私より上だけど、私のデビュー作で共演してからすごく仲良くしてくださってる先輩で、フレンドリーで話しやすい人。

今も久しぶりに昼飯一緒に食べようよ！と誘ってくれて、2人でお昼を食べているところ。…丁度いいし、相談してみようかな。

【寺島さん】

寺【どした？】

【もし、寺島さんが女性だったとして】

寺【前提が気になるなぁ】

【いいから聞いてください？】

寺【ごめんごめん笑】
寺【俺が女性だったとして？】

【寺島さんが女性だったとして、】
【男友達に押し倒された場合、どうしますか】

寺【なに、押し倒されたの？笑】

【私じゃなくて、】
【もしもの話です】

寺【うーん…そうだなぁ】
寺【俺なら意識しちゃうかなぁ】

【 …やっぱそうですよね】

寺【やっぱってなんだよ笑】
寺【もしも話じゃなかった？笑】

【あ、えっと… 】

何かと勘のいい寺島さんに隠し事は出来ない私。
ただ、SnowManを好きな寺島さんにふっかの名前を出すことは出来ないので、名前を伏せながら説明する。

寺【ふーん？一つ下の男の子にねぇ】
寺【新名はその人のことどう思ってんの？】

《新名》とは、私が声優として活動している時に使っている芸名。《新名よもぎ》。私が本名で活動したくないと事務所に話して、色々あった中からこうなった。

逆に声優仲間で私の本名を知っている人は極わずか。寺島さんも知っている中の1人だけど、あえて芸名の方で呼んでくれている。

【どうって… 】
【気を遣わずに楽しくお酒が呑める…人？】

寺【好きじゃないの？】

【そんな、好きとかじゃないです！】

寺【えぇー、でも押し倒されてさ、意識してるんでしょ？笑】

【だ、だから…っ】

寺【あははっ、ごめんごめん笑】