【紫】素直じゃない２人 (ページ25)

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７５杯目【過去編】ページ25

深【何呑んでんの】

【いつもの】

深【んじゃ俺もそれ】

【自分で言いなよ笑】

そう言いながらも、自分の分を飲み干して彼の分と一緒に同じものを注文。

昔は、よくこうして2人で呑んでた。

くだらない話をして、たまにふっかの仕事の愚痴を聞いて、いつもふっかの方が先に酔う。

きっとふっかは、最後のリモート飲みのことなんて覚えてない。あの日はかなり呑んでいたし、仕方の無いこと。

デビューして、仕事や先輩付き合いが多くなるに連れ、ふっかは呑みに誘っても断ることが増えた。

でもそれに関しては私も仕事柄理解はあったし、気にもしてなかったんだけど、そんな中で、たまたま時間が合って久しぶりに呑もうってなったのが、あのリモート飲み。

だけど、その事を忘れるほど呑んだふっかは、私と急に連絡を取り合わなくなったと思ってる…と、照くんに言われて、あの日ドームツアー決まったら呑みに行こうって約束したくせに、何その約束忘れてんのよって腹はたったけど、まぁ別にふっかが忘れてても私が覚えてるからと、それに関しても気にしてなかった。

そしてついに決まったSnowManのドームツアー。発表があったのは3月。けど、ふっかに応援して！と言われていたおかげで、今年はこの時期に毎年行っていた滝沢歌舞伎という舞台に幕を閉じる最後の年だと知っていた私は、5月になるまで連絡せずにいた。

私も私で丁度仕事が忙しかった時期だったし、落ち着いたら連絡すればいいかと思っていたら、気づけば5月中旬。ふっかの誕生日所か、あと2週間後にはツアーが始まっている。

ふっかとの約束は【ドームツアーが決まったら呑みに行こう】だったため、慌てて丁度暇だった今日に“ 今日いつもの店で待ってるね ”とだけLINEを送った。

そして夜。お馴染みの席で同じお酒を呑む私たち。
隣を見れば、懐かしいけれどガラリと雰囲気の変わったふっかと目が合う。

深【 …Aちゃん、元気してた？】

【まぁ、それなりに】

深【そっか】

【そっちは？】
【 …っても、テレビで見ない日ないんだけどね】

深【 Aちゃんに見られてんの恥ずいなぁ、】

【分かる】
【アイドルしてるふっか、見てて変な感じする】

深【それはそれで傷つくよ？笑】

【だって、あんなイケメン知らない】

深【おおい！笑】
深【俺は昔からイケメンでしょ？】

【あー、はいはい】

深【流すな笑】