【紫】素直じゃない２人 (ページ15)

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６５杯目【過去編】ページ15

？【なんですか？】

メガネ越しに初めて目が合い、鼓動が速くなるのを感じながら、悟られないよう平然を装って話を続ける。

【ここにはよく来るんですか…？】

？【前はよく… 】
？【最近は来れてなかったですけど】

【ですよね、見ない顔だなとは】

？【俺も思いました、見ない方だなって笑】

【入れ違いですかね？】

？【いつ頃から来られてるんですか？】

【えっと、2年前…とかです】

？【あぁ、じゃあガチで入れ違いだ】
？【俺2年前まで来てました笑】

【ふはっ、そりゃ見ないわけだ笑】

最初は話しにくい人なのかなって思ったけど、話してみればすごく気さくな人で。思っていたより話が弾んでしまった。

雰囲気柔らかいな。アキくんお友達…なんだよね。
なんとなくわかる気がする。空気感がアキくんとそっくりだ。

ア【たつ、お待たせ】
ア【結構盛り上がってるね笑】

？【お、ありがと】
？【思ったより話弾んじゃった笑】

ア【それは良かった】
ア【 2人話し合うだろうなってずっと思ってたんだよね】

客【あーきー】

ア【あ… 】
ア【ごめん、呼ばれてるから行くね…笑】

？【アキ、大丈夫？俺行こうか？】

ア【たつはお客さんでしょ笑】
ア【これも仕事だから、大丈夫】
ア【じゃあ、ごゆっくり〜】

そう言って酔っ払った女性客の元へと向かうアキくん。

こういうこと、多々見かけるけどいつもモヤモヤしちゃう。
お客さんはアキくんに会いに来る女性客がほとんどだから、仕方ないっちゃ仕方ないけど…やっぱりね。

もちろん男性客も居る。アキくん人柄いいから、どっちにも好かれてて。どっちかと言えば男性客と話してる方が、心做しか楽しそうにも見える。

?【大丈夫かな… 】

隣で小さく呟いたそれ。何を心配してるのか分からないけど、不安そうな顔でアキくん見ているから、私も心配になった。