ep.58 ページ8
そもそも、Aが住んでいるマンションはオートロック付き。それも超最新システムで、指紋認証と鍵の2重で開けるタイプ。指紋登録しているのはマンションの住人だけのはずだし、鍵だってそう。なのに監視カメラには男以外の人影はひとつもなかったし、何かを偽装して入っていたふうにも見えなかった。
じゃあ一体、そいつはどうやってマンションに侵入し、どうやってAの部屋に盗聴器を仕掛けたのか。
いや、考えろ？ 大前提として、マネージャーという立場を利用し、家に居ない時間帯に盗聴器まで仕掛け、Aのことをストーキングするくらい、Aを見るストーカー。
朝も昼も夜もAと一緒にいたい。Aのそばにいたい。そう考えていたとしたら？
Aが言っていた、帰ってきてからも誰かに見られている気がするって言葉。相当鈍いAがそう感じるってことは、Aが帰ったあともずっと見てるってこと。
だとするなら、そいつの家は＿＿＿
深「………………向かいのマンション、」
向「え？俺のマンション？」
深「ちげぇわ笑 Aのマンションの向かい側にあるマンション。高さも同じだし、同じ階だったらカーテンさえ開いてれば双眼鏡で全然覗けると思う。」
向「結魏さんカーテン閉めてへんの？」
深「半分開けてんのよ。まじで無用心だから閉めろって言ってんだけどさ…」
向「見られてんのには気がつくんに、そういうとこは抜けてんねんな？」
深「危機察知能力は持ってんだよ？俺以外に反応しないだけで」
向「なんやそれ笑」
深「とにかく、向かいのマンション…証拠とか何も無いしただの勘だけど、周辺の防犯カメラとか見れないかな」
向「阿部ちゃんに言うて、警察の人にお願いしよ！」
向「防犯カメラ、探すん大変やろうけど…みんなでやればなんとか！」
深「康二…ありがとう」
向「だから！まだお礼言わんで！」
向「てか、俺なんもしてへんし笑」
佐「＿＿＿あ、こーじ！ふっか！」
向「さっくん達や！ さっきの予想さっくん達にも話そ！」
深「うん」
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作成日時：2023年9月6日 19時
