【 紫 】恋愛対象外…？

ep.57 ページ7

衣装から私服に着替えて、みんなで手分けして周辺を探しに出てから数十分。グループLINEにまたメッセージが届いた音がして、スマホを取り出して確認する。



岩本今確認した。俺も仕事終わり次第探す
てか、居なくなってから結構経ってるなら捜索範囲広げた方がいいかも。車に乗って移動した可能性もあるし、マネージャーの家周辺とか特に警戒して。

阿部そう思ってさっき事務所の人から送られてきたそいつの家らしき場所に、警察の人が行ってくれたんだけど、全くのデタラメだったよ
そんな人、マンションには住んでないって



阿部ちゃんから送られてきた文章にゾッとする。
嘘だろ？わざわざデタラメ書いたって言うの？
じゃあ、最初からAを狙っての犯行だったってこと…？

確か、あのマネージャーは他事務所を辞めて、数ヶ月前からAが所属してる事務所に入ったって、車の中で聞いた気がする。すごく優秀なマネージャーだって。

でも本当は、Aに近づくために前の事務所を辞めたって事だよね？ 家の住所がデタラメなんて、じゃあどこを探せばいいんだよ…



？「ふっかさーん！」


深「え、……こう、じ…？ なんで、」


向「仕事終わってさ、LINE見たら結魏さんおらんなったって知って、俺も探しとったんよ！ でも、見つかれへんくて…目撃情報もなくて…」



俺に近づいてそう話す康二は、申し訳なさそうに眉を下げていて、「ごめんなぁ…」って謝ってくる。

康二も…探してくれてたんだ、



深「…ううん。ありがと康二」


向「まだお礼言わんといて！結魏さん見つけれてないし…」


深「一緒に探してくれるだけで嬉しいよ？」


向「ふっかさん、……絶対、絶対結魏さん見つけよな！」


深「うん、そのことなんだけどさ」


向「どしたん？ …もしかして、なんか分かったん？」


深「いや、まだ定かじゃないんだけど…」



そう前置きをして、康二にAがストーカーされていた話をする。顔を顰め「なんやそれ…」って言いながら聴いてくれる康二に、「本題はここからなんだけど」と俺の考えを話した。

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