【紫】恋愛対象外…？ (ページ15)

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ep.65 ページ15

ー中学時代ー

母「じゃあ、行ってくるわね」

父「戸締りはきちんとな」

「わかってる〜」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」

夕方頃。結婚記念日だからと夫婦旅行に行くらしいお母さんとお父さんを見送ったあと、自室に戻って彼氏とLINEのやり取りをする。

じゃあ明日デートしようよ
したい!!
どこ行きたい?
映画館! 観たい映画があるんだぁ
映画かぁ。なんて映画?
□□△△って映画!
あー、それ今度友達と観に行く約束してる
そうなんだ💦
他は?どっかある??
遊園地とか?
俺人混み苦手。
出来れば人少ないとこがいいかな
てか、Aの家両親いないなら家デートしようよ
え、うち??
うん。いいでしょ?決まりね
あ、うん…分かった

「どこ行きたい？って聞いてきたくせに…」

彼は1学年上の先輩で、かなり自分勝手。自分は女友達と遊びに行くくせに、私が辰哉と話してたら「話すのやめてくんない？」って言ってくるタイプ。

最初は、「先輩も女の子と遊んでるじゃん」って言ってたけど、「じゃあ別れる？」って言われて、モヤモヤすることもあるけど、やっぱり好きだったから別れたくなくて、辰哉には申し訳ないと思いつつも事情はちゃんと説明して、距離を置くことにした。

「……辰哉なら、いいよって言ってくれるのになぁ」

先輩とのやり取りを終えたあと、いつも考えるのは辰哉のこと。
別に好きって訳じゃないけど、毎日のように取り合ってた連絡をしなくなれば気になるのは当然で。今何してんのかなぁとか不意に考えちゃう。

「…はぁ、お風呂入ろ。」

スマホと下着類を持ってお風呂場へ。髪と体を洗い、湯船に浸かって動画を見る。

どれくらい経ったのか、動画を見ているとバチッという音と共にお風呂場の電気が落ちた。

「えっ、なに、、停電、？」

真っ暗で怖くて、スマホの光を頼りに動こうとしても、全然体が動かなくて、どうしようかとパニックの中、辰哉の顔が思い浮かんですぐに電話をかける。

久しぶりの連絡。出るかどうかも分からない。

お願い辰哉、、出て…！！