ep.52 ページ2
深「誰かに見られてる？」
「うん、」
深「誰かって…幽霊的な話じゃなくて、人間ってことだよね？」
「多分… 私の勘違いかもしれないけど、」
Aがしてくれたのは、ここ一週間誰かに見られてる気がするって話。仕事中も、移動中も、家に帰ってくる時も、帰ってきてからも、ずっと誰かに見られている気がして、夜も寝れないし、気になってご飯も喉を通らないみたい。
深「それ、マネージャーさんには言った？」
「……言えてない、」
深「なんで。マネージャーさんに話したら、事務所を通して安全面を考慮した家とか一時的に避難できる場所用意してくれるでしょ？」
「あの、ね…辰哉…」
深「うん？」
「……マネージャー、ちょうど一週間前に変わったの…」
深「えっ？」
「うちのマネージャーの奥さんが妊婦だったの覚えてる？」
深「もちろん。」
「それで、つい最近産まれたらしくて、奥さん1人だと心配だからって育休取るか悩んでるって言ってたから、いつもお世話になってるし、奥さんのことも私はよく知ってるから、育休取ってもらったの。それで、その人が帰ってくるまでの仮のマネージャーみたいな感じで、新しくついてくれて…」
深「それが一週間前？」
「うん、」
深「で…誰かに見られてる気がするのも一週間前から、」
もしマネージャーだったら、Aの家も分かるし、仕事中も、移動中も、ずっと見てられるはず。
でも、帰ってきてからも見られてるってのは、なんでだろ。
深「………A、その新しいマネージャーがこの家に来たことはあんの？」
「ううん、ないよ」
深「ってなると…」
Aが仕事中にこっそりカバンの中をさぐって合鍵を作ることもできるし、マネージャーならAの仕事のスケジュールを把握してるわけだから、家にいない時間もわかる。
さすがに疑うのはどうかと思うけど、どっちも一週間前からってのが怪しいし、もし本当にそうなんだとしたら大問題だよな…
てゆーかこれ、もし盗聴とかされてたらやばくない…？
深「………………いや、ないな。」
「え？」
深「絶対勘違いだって笑」
「辰哉、、、？」
深「A最近忙しいし、疲れてんじゃない？」
「…！ ………そう、なのかな…」
深「そうだよ。気にしすぎ」
盗聴されてる可能性があると考えて、口ではやっぱないだろと言いつつ、スマホで文字を打ってAに見せて演技をすることにした。
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作成日時：2023年9月6日 19時
