6% ページ6
HR終わり。
今日は朝から休み時間の合間はほぼほぼ深澤くんと話していた。
深澤くんの友達の話とか、家の話とか、妹さんの話とか、色々。
私はただ聞くだけだったけれど、それでも楽しかったのは深澤くんのトーク力が凄いから。
気づいたら全授業に深澤くんは出ていて、HRで先生に褒められてたっけ。
今日は時間が進むのが早かったなぁ。
これもきっと、深澤くんが居たからなんだと思う。
明日も、深澤くんと話せるかな…
そんなことを思いながら、カバンを持って席を立つ。
放課後は今朝話しかけに来ていた女の子と出かけるって言ってたから話せないし、今日は帰ろ。
女の子が来るのを待っているのか、椅子に座ってスマホをいじっている深澤くんの後ろを通り過ぎて、「また明日」と声を掛けたら、「あ、まって！」と腕を掴まれた。
腕、っ
「もう帰んの？」
「ぇ、あ……うん。 帰って本読もうかなって」
「そっ、かぁ……」
「ど、どうしたの？」
「待ってる間、話し相手になって欲しいなぁと思って。なんか向こう面談のことで先生に呼ばれたっぽくてさ、時間かかるってゆーから」
「そ、そうなんだ…」
「………ねぇ翠川さん。まだ帰んないでよ。」
「え、？」
「俺、まだ翠川さんから今朝のこと聞いてないし。」
「今朝のこと、って…」
私が、深澤くんに聞こうとしてた、あの話…？
「あの、あれは本当になんでもなくて…」
「うそ。」
「嘘じゃないよ、ほんと…なんでもないの」
「じゃぁ、なんで目見てくんないの？」
「…！ そ、それは……」
私たちの教室には、私と深澤くんの2人だけ。
聞くなら今…なのかな、
「………………ふ、かざわ、くん…」
「ん？」
「…………深澤くん、は…その、」
だめだ。何を聞けばいい？
どう聞いたらいい？
なんて言ったら、
「……………翠川さん。ゆっくりでいいよ。……とりあえずさ、まず俺の話聞いてくれる？」
「え、、う…うん、」
「ありがと。……俺ね？ 昔、翠川さんと話したことあるんだよ」
「へ、？ わたし、と…？」
「うん。 ……1年の時ね。同じクラスだったの。覚えてない？」
それは覚えてる…、
あの時から深澤くんは人気者で、私は今みたいに教室の隅っこの席で、ただ深澤くんのことを目で追いかけてて＿＿＿
「……俺さ、あん時から気づいたら、翠川さんのこと目で追っちゃうんだ。」
「…え、？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1047人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2022年11月16日 1時
