【紫】隣の席の深澤くん (ページ48)

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「……」

「……」

深澤くん、今なんて…、

好き…？好きって言った？

いや、私が深澤くんのこと好きすぎて告白される幻覚見てる？幻聴？病院行った方がいいかな、だってこんなの…そんなこと、深澤くんが言うわけ…

「ねえ、言っとくけど幻聴じゃないからね。」

「…な、なんで……」

「そんな顔してたから笑」

「……」

「…俺、本気でAのこと好きだよ。」

幻聴じゃない…のは、すごく困る、

どうしたらいいか分かんない…
深澤くんに好きって言われるなんて思わなかった

だってそんな素振り…そんなの、ずるいよ…

私が好きって言いかけたとき、塞いだくせに…
言うなって顔したくせに、こんなの…

わたし、私、でも…

「……ご、めん…なさい、」

深澤くんに告白されて、好きって言われて凄く嬉しい。凄く嬉しくて、私も深澤くんと付き合いたいって、そう思った。思ってた。

でも、深澤くんがジャニーズJrだということ、今度グループへの所属が決定したこと、その話をされた後に告白されて…正直深澤くんの彼女として隣にいれる自信が、支えられる自信が私には無い…

せっかくグループ組んでこれから頑張るぞって時に、私という存在が邪魔になりそうで…好きだし、大好きだし、深澤くんの彼女になれることなんてこの時を逃したらもう無いかもしれないけど、好きだからこそ深澤くんに迷惑をかけたくない…深澤くんの邪魔をしたくない…

「……それは、告白の返事ってこと？」

「…うん。私は深澤くんと付き合えない。」

「ハッキリ、言うね…？笑」

「言うよ。…言ったじゃん、私は “ 絶対 ” 好きにならないって。」

「……うん。言われたね。」

「深澤くんは好きにさせる自信あるって言ってた。」

「…うん、言ったね。」

「勝負は、私の勝ちってことでいいんだよね？」

「…うん、」

「じゃあ、最後にお願い聞いてくれる？」

「…お願い？」

「うん。……これから先も私と深澤くんはただのクラスメイト。必要最低限の事は話さないし、話しかけない。LINEも電話も、しない。」

「待ってA、そんなの…」

「それも。」

「え？」

「Aじゃなくて、翠川さんがいい。」

「…翠川さん？」

「うん、…やっぱりそっちのがしっくり来るね笑」

私がそう言うと深澤くんは少し悲しそうな顔で笑った。

ごめんね、深澤くん…

私も大好きだよ。