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「おまたせ〜、チンして来た」
「ありがとう」
「食べれそう？」
ベッドで寝転がっている私の所へ来て、お盆の上に乗せたおかゆを小さいテーブルの上に置いてくれる深澤くん。
匂いにつられて起き上がると、ひと口スプーンに掬って「まだ熱いかなぁ、」なんて言いながらふーふーと冷まし私の口元まで持ってくる。
いわゆる、あーん…ってやつ、
子供じゃないんだし、自分で食べれるのに…
「……あの、」
「ん？」
「自分で食べるから、」
恥ずかしくて断れば「えぇー、」と残念そうな顔をする深澤くん。少し口を尖らせて、拗ねたように「じゃあ、あげなーい」なんて…子供みたいだな、
「…………わかった、食べるから、」
「はい、あーん」
「ん。 ………うん、」
「美味い？」
「んー、」
「ごめん、俺料理出来ないから」
「まぁ家が燃えることを考えたら、レトルトでも美味しいよ」
「……A、最近すごい言葉で刺してくるよな？」
「深澤くん、話しやすいからつい」
「緊張すんのに？笑」
「それとこれとは別だよ」
「なんでだよ笑」
レトルトのおかゆを食べながら、深澤くんとするくだらない話。
昨日あんなに悩んだのが馬鹿らしくなるくらい自然に話せてて少し安心したのと同時に、土曜日の件がなかった事みたいにも思えて少し悲しい…なんて
「我ながら、わがままだな…、」
「ん？なに？」
「ううん！ ごちそうさまでしたっ」
「うん。 じゃあ薬飲んで。」
「……ｺﾞｸｯ､」
「ん、えらい」
「ありがとう、深澤くん」
「どういたしまして。ほら、横になって。俺洗い物してくるから、ちゃんと寝てて。」
「洗い物くらい私がやるよ」
「ダメです。病人は寝てなさい。」
「もうさがったもん。」
「また上がるかもしんないでしょ。」
「深澤くんお母さんみたい」
「そこはお父さんでしょ！」
「お父さんはちがう」
「なんでだよ笑 もー、とにかく寝なくてもいいから横になってな？ 洗い物終わったら戻ってくるから」
「……分かった。」
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作成日時：2022年11月16日 1時
