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女の子が来たことで、私が深澤くんに聞きたかったことは聞けずに終わったけど、それはそれでよかったのかな。聞いたところで深澤くんにとってはなんでもないことだろうし。
そもそも、私が深澤くんになにか言おうとしてたことなんて、もう忘れて＿＿＿
「それで、翠川さんは何を言いかけてたの？」
「……え、？」
「さっき、何か言おうとしてなかった？」
「え…っと、」
体ごと私の方を向いて、さっきのことを聞いてくる深澤くん。
あぁ、私が何か言いかけてたこと、覚えてたんだ…
「……ううん、大したことじゃないから。大丈夫だよ。ごめんね。」
「そう？」
「うん。」
会話、終わっちゃった。 まぁ接点がある訳でもないし、こんなに話したのは今日が初めてなんだから当たり前か。
でも、さっきの子とはこんな気まずい空気感なかったよね…
いや、そりゃそうか。あの子は私よりも深澤くんと接点あるもん。深澤くんのこと、深澤って呼び捨てだったし…
って、だからなんで私モヤモヤしてんの…
こんなこと、今までは＿＿＿
「…んふ」
「……へ、？」
なんで、笑ってるの…？
「深澤くん、？」
「ん〜？笑」
「なに、笑ってるの…」
「だって翠川さん、本読むの速いはずなのにそのページから10分くらい動いてないんだもん〜笑」
「な…っ、」
「お前ら席に付けー。出席とるぞ〜。」
「ぁ、せんせー来ちゃった。 翠川さんまた後で話そーねー」
「……う、ん…」
先生が来たことで、なんで知ってるのって聞けなかった…
後で話そうね、って…また話しかけてくれるってこと？
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作成日時：2022年11月16日 1時
