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「……ごめん、急にこんなこと言われても困るよね。俺も自分がなんでこんなにイライラしてんのか分かんないし…笑」
そう言って困ったように笑う深澤くん。
ねぇ…ずるいよ、
そこまで言っといて、そんな思わせぶりな発言しといて……
「……深澤くんはずるいよ…」
「え？」
「…江藤くんの言う通り、深澤くんは思わせぶりだね…？」
「俺、思わせぶりなの？」
「うん。思わせぶりだよ。 ……深澤くんは、期待させるだけさせといて、そういうつもりじゃなかったって女の子を振るタイプ」
「いや、だって本当にそういうつもりじゃないもん。俺は＿＿＿」
「江藤くんが言ってた。ふっかは誰にでも優しいから、その優しさで好きになっちゃう子が多いんだって。深澤くんは無意識にやってる事だから、本人は分かってないけど知らないうちに惚れさせてる、思わせぶりな態度取ってるんだよって。」
「別に誰にでも優しいわけじゃないけど…」
「深澤くん、江藤くんと中学一緒だったんだよね？ 中学の時もモテモテだったって聞いた」
「あと、ふっかは球技系のスポーツが得意だって自慢げに話してたよ。 一緒にバスケ部入ってるんだよね？ 深澤くんがバスケしてるところ見てみたい。」
「来週から部活動再開するんだよね？ 江藤くんが、見たいなら見に来たらいいよって誘ってくれて、でもギャラリー多そうだよね、深澤くん目当ての人いっぱい居そう。江藤くんちょっと嫉妬してた。ふっかばっかりなんだよー！って…笑」
深澤くんの言葉の続きを聞きたくなくて、話を逸らすように1人で江藤くんと話していたことをペラペラ話していると、ちょいちょい相槌を入れてくれていた深澤くんが、歩く足を止めてその場に立ち止まった。
「…ん、深澤くん？」
「翠川さんってさ、江藤のこと好きなの？」
「え？」
「さっきから江藤の話ばっか。 ……俺、翠川さんの口から江藤の話あんま聞きたくない。」
「ご、ごめん。でも、江藤くんの事は好きじゃないよ？」
「…ほんとに？」
「うん。…それに、私が今してるのは、江藤くんの話じゃなくて、深澤くんの話だよ？江藤くんから聞いたってだけだもん」
「……じゃあ、江藤がって連呼しないでよ。」
「どうして？」
「翠川さんが江藤くんって呼んでるの、なんかやだ。」
「江藤って呼んだ方いい？」
「だめ。そっちのが嫌だ。」
「わがままだなぁ…」
「…わがままだよ。翠川さんにだけね。」
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作成日時：2022年11月16日 1時
