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江藤くんと話して15分後くらい。
そろそろ帰ろうかという話になって、2人で教室を出て下駄箱まで歩く。
色々質問とか話を振ってくれる江藤くんは、深澤くんとは違う楽しさ？みたいなものがあって、教室から下駄箱までの距離があっという間に感じる。
人と話しながらここまで来たの初めてかも…
「江藤くん、ありがとう。楽しかった」
「俺も！なんか翠川さんって面白いねー笑」
「え、そう…？」
「うん、ふっかが構う理由わかる気がする笑」
私に構う理由、か。
深澤くんも江藤くんと同じ気持ちで構ってくれるのかな。
「ねえ翠川さん、また話しかけてもいい？」
「え？…あ、うん。もちろん」
「よかった！ じゃあ、LINE交換しない！？ 俺、翠川さんのこともっと知りたいし！」
「ぁ……うん、」
いいよ、と口にしようとして江藤くんの方へ目を向けると、その後ろで居るはずのない深澤くんと目が合った。
…え、なんで、？
駅前のゲーセンに行くって、
「ん？ ……あれ？ふっかじゃん！」
私の様子を見た江藤くんが振り向いて、彼の存在に気づき名前を呼びかける。
深澤くんは、「よっ。」なんて片手を上げて応答しては、こっちに歩いてきた。
なんで居るの？ゲーセンは？誰か待ってたの？
聞きたいことが山ほどあるのに、言葉が出てこない。
なんとなく江藤くんと一緒にいる所を見られたのが気まずくて、「私先帰るね」と足早に深澤くんの横を通り過ぎると、ノールックで私の腕を掴んでは、「翠川さんもらってくね。」なんて言って、私たちが歩いてきた道を引き返すように歩き出す深澤くん。
訳も分からず意味も分からないまま、ただ腕を引かれながら深澤くんの後を着いていく。
やっと手を離してくれたと思ったら、教室に入って自分の席に座る彼。
どうしたらいいか分からないまま、私も席に座ると机に突っ伏した状態でこっちを見る深澤くんとまた目が合った。
「っ…ふ、かざわくん……」
さんざん避けられ続けてた今日、目が合ったのはたったの3回くらいで、それ以外は私のことを見てすらくれなかった深澤くん。
久しぶりに目が合ったからか、鼓動の速度がいつもの倍早い気がする。
さっき江藤くんと話してる時は感じなかったこの感覚。
やっぱり私、深澤くんのこと＿＿＿
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作成日時：2022年11月16日 1時
