青葉城西高校のマネージャーは。【川西太一】Vol.2

16話 ページ19

国見side



等間隔に並ぶ街灯の下をいつもより早歩きで歩く。


泣きそうだ。悔しいし、悲しい。正直もう泣いてしまいたい。


無意識にエナメルバッグの肩紐部分を握る。


藤咲さんをあそこで見つけられてなかったら。


そもそも体育館の電気になんて気にもとめなかったら。

今頃、藤咲さんはどうしてただろう。

見つけたとして、その先は？


オレは、矢巾さんが来なかったら1人でパニックになって結局何も出来ないんじゃないだろうか。





廊下をゆっくり、1歩1歩確かめるように歩いた。
藤咲さんを落とさぬように、起こさぬように。




国「.......ぁ、あの」
「？？ バレー部の... ！？！？！A ！？！」





更衣室前でちょうどサッカー部3年のマネージャーに会った。よかった。




国「えっと、藤咲先輩が、ちょっと倒れてしまって、荷物を、」


「あ、そかそか。女子更衣室入れないもんね笑 わかったAの荷物持ってくれば
いいんだよね？」


国「そうです。ありがとうございます」



「大丈夫よ〜 ...どうせまた無理してるんでしょこの子」

国「、ぇ」





「聞いたよ。及川の話も黒角財閥のオジョーサマの話も。いらないマネージャーはいつも
どんどん切り捨ててたのに今回は長いなーって思ってたの。
及川たちが邪魔してたんだね」




国「...まぁ、」




「これに限ったことじゃないけどなんでも無理しちゃうタイプだからね〜
定期的にガス抜きしないと困っちゃうよね。 でも君みたいな後輩に恵まれて
良かったわ」

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