バラとシレネ。2 (ページ6)

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＿＿＿愛染(あいぜん)/愛に心をとらわれること。執着すること。

Aside

淡い期待、というものは思っていた通り簡単に砕かれるんだなぁと痛感した。

もしかしたら、また腕を掴んでくれないかな、とか

もしかしたら、『もう1回』なんて言ってくれたりしないかな、とか

そしたら私は＿＿

A「.....なんて言うのかなぁ笑」
永瀬「......あんた、大丈夫？心ここに在らずみたいな感じなんだけど」

A「あー大丈夫。無理だったら休むし。私情は仕事に持ち込まないから安心して」
永瀬「ならいいけど。今日は終わりだしゆっくりしてね」
A「はぁい」

事務所にあるダンススタジオで練習したあとはシャワールーム行って、事務の人にひとこと声をかけて帰宅。

朝霧「あ、おい」

すぐには帰れないか...

朝霧「はいこれ〜81(ｴｲﾃｨｰﾜﾝ)にお届け物でーす」
A「......は？行かないけど。」
朝「行けっつってんだよ」
A「そんな足軽じゃねぇよ」

まぁ行くけどさ。

鈴宗「.....あ、SUN・DAYSの！」

うっっっわ会いたくない人いたよ！！！(宏太朗の彼女)

A「えっと...これ81に届けるものらしくて...」
鈴宗「そうだったんですね！ありがとうござます！」

西山「おつかれさまでした〜」
鈴宗「宏太朗！」

あーーーーーーーーー(現実逃避)

西山「あれ、茅乃いた.......」
A「......こんにちは」

いつも通りのにっこり笑顔。上手だよ私。

西「どうも。茅乃今日何時終わり？俺んち来る？」
鈴「いくいく〜！18:00には終わるからすぐ行くね！」

横切った宏太朗の瞳に私は映らない。それでいいんだけど。

A「ほんと素敵ですね。お似合いですよ」
鈴「えっ嬉しいです！宏太朗優しいし、女子力高いし私が彼女なんておこがましいくらいですよ〜！」

小柄な子、好きそうだもんな。The・女の子って感じだもんな。『彼女』とちゃんと言うんであればこんな子がいいのか。わたし(アソビ)とは違う。

鈴「＿＿＿だからね、一ノ瀬(・・・)さん」

名前、ちゃんと知って、

鈴「宏太朗は私のなので、取ろうなんて思わないでくださいね？」

は？

それ以上、彼女は何も言わなかったけど、わかる。