未題 (ページ3)

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僕はAさんより6歳年下で、Aさんは安達さんより5歳年下。

……安達さんは優しいし、面白いし、…そりゃ、好きになるよな。

僕はなかなかAさんとの距離を縮められないし、Aさんからは未だに名字で呼ばれてる。大体みんな下の名前で呼ばれてるのに。

……了一さんって、呼んでたし。

僕がAさんの恋愛対象に入ることなんて、あるんかな。

19『由伸？』

18『……山岡さん、』

19『ん？なんや？』

18『……これ、僕の友達の話なんすけど』

19『…？うん？』

18『友達の好きなコが、不倫してるのを聞いたらしいんですよ』

19『聞いた？』

18『誰もいないとこで怪しい会話をしてたらしいです、その会話を聞いただけで逃げちゃったらしくて』

19『………はあ、で？』

『その友達の好きなひとは年上らしいんですけど、好きなひとは不倫相手の年下らしくて』

19『……ん？じゃあ不倫相手が1番年上で？その好きなひとが真ん中、友達は1番下ってことな？』

18『そうっす、さすが山岡さん』

19『や、よく分かんねーけど』

18『……そいつ、俺には脈なしだ〜！って、凹んでて、

僕はなんて声かけるべきなんかな、って』

………全部僕の話です。山岡さん、ごめんなさい。

19『……やー、俺はあり得へんなあ』

18『え？何がですか？』

19『不倫や』

18『……ああ』

19『もちろん奥さんがいて不倫する男も男やけど、相手がいるって分かってて不倫する女を好きになるなんてあるか？』

18『……不倫してるって知らなかったとしても？』

19『俺は不倫してるって知った瞬間冷めるかな』

18『……そんな簡単に冷めるんですかね』

19『ん？やけに否定的やな、……で、由伸』

18『はい』

山岡さんが、そっと近付いてきて僕に囁く。

19『……Aさん、不倫してるんか？』

18『…………は！？！？！？！？』

僕の言葉に、昼ごはんを食べていた選手やスタッフが一斉にこちらを向く。

19『それ、お前の話やろ』

………山岡さんには敵わないなあと、ぼんやり思った。