未題 (ページ20)

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18『……！こんな美味い肉初めて食べましたよ！』

「大袈裟だよ」

18『本気です！Aさんこんなお店知ってるんですね！さすがです』

「んー、まあね？わたしもこのお店大好きなんだ」

18『グルメなんですか？』

「違うよ、……わたしも教えてもらったんだ」

誰に？

そんなこと、今の僕にはまだ聞く勇気がない。

18『……なんで今日、ここに連れてきてくれたんですか？』

……勇気を出した結果が、これ。

「………それは、…

・

・

・

………だって、由伸うるさいから」

18『、は』

「最近アピールがすごいでしょ？なんとか宥めないとなって思って」

……期待した僕がバカってか。

「……ごめん、嘘」

18『え？』

「……このお店、本当に好きなお店でね？

思い出がたっっっくさん、あるんだ。

でも、これ以上思い出にできないし、……うん。

……これからも通いたいな〜って思ったから、由伸を誘ってみたの」

……聞かんほうがよかったかもなあ。

絶対安達さんに連れてってもらったやつやん。

Aさんの言葉で勝手に察して、1人で勝手に傷付く自分自身が憎い。

「……これ、あんまり人に話せなかったから今日由伸に話せてよかった」

……前言撤回。

18『周平さんとかも、知らない話ですか？』

「うん、……何でもかんでも周平だけに話してるわけじゃないからね？」

18『……そうですか』

……周平さん、嫌いになりそうとか思ってすみません。尊敬してます。

「聞いてくれてありがと、由伸」

18『こちらこそです、話してくれてありがとうございます』

誰も知らないAさんを、もっと教えて。