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side 4
4『……おかえり、A』
「ただいま」
4『みんな寂しがってたで』
「周平も?」
4『……まあ』
「ふふ、ありがとうね」
……久しぶりに見たAの穏やかな表情を見ると、なんだか安心する自分。
4『どうやった?』
色んな球団……と言いつつ、野球チーム以外にも行ってたらしいA。
「やっぱり野球が好きだなあと思ったよ」
4『……楽しかったか?』
「そうだね、柳田さんはさすがの破壊力だったし、初めて会ったサトテルくんもすごかったし……あ、あと源田くんの守備は安定した堅実さと華麗さを兼ね備えててさすがだったなあ、92年組の誇りだね」
4『はいはい、……で、決まったんか?』
「……うん、今から監督と話してくる」
4『え、なんで監督?』
「もうちょっと待ってて、終わったら周平にも話すから」
そう言って部屋を出て行くAを、俺は追いかけることができない。
「あ、周平」
4『ん?』
「今まで、たくさんありがとうね」
4『は?……それ、』
「……たくさん、たくさんありがとう」
4『待ってや!』
「もう、最後まで言わせてよ。
……これからは、トレーナーとしてだけじゃなくて、1人の友達として、たくさん恩返しさせてね」
4『え、』
「ふふ、じゃあ行ってきま〜す」
4『あいつ……ほんっっま、ズルい女や………俺の話も聞けや……
・
・
……ありがとうをたくさん伝えたいのは、こっちの方なんやで』
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きちでーす(プロフ) - 久しぶりの更新、ありがとうございます!続き楽しみです! (2022年3月6日 10時) (レス) @page25 id: 0950913df0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みさ | 作成日時:2022年1月20日 16時