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side 3
18『安達さん』
3『っ、びびった由伸か』
……これ以上は無理だとロッカールームに向かえば1人静かに座り込んでいる由伸。
18『……僕、Aさんのこと好きなんです』
3『は、……今更言われても、……知ってたわ』
18『やっぱりすか?んー……僕ってそんなに分かりやすいんすかね』
3『多分みんな知ってるで』
18『………安達さん』
3『ん?』
18『……どうやって、Aさんを、』
3『……?』
18『……Aさんを、……安達さんのものにしたんすか』
3『……………………………は?』
待て待て待て
いや、由伸にバレてる?なんで?まさか泰輔?
18『すみません、盗み聞きするつもりはなかったんですけど、ここでAさんと会話してるのを聞いてしまって』
3『……えっ、と』
18『下の名前で呼んで〜って、Aさんが恥ずかしそうに、幸せそうに了一さんって』
3『……聞いてたんか』
なるほど、泰輔が知ってるのは由伸の分かりやすさから察してたからか……
18『安達さんが、心底羨ましくて、僕』
3『……俺も、お前が羨ましいかもなあ、…』
18『……は?』
3『Aと結ばれるのは由伸かもしれないし。
……逆に言えば、俺は絶対に結ばれることはないから』
18『………本当にそう思いますか』
3『ん?』
18『Aさんは……安達さんと結ばれたかったはずです』
3『……いや、』
18『僕は、……僕には、Aさんを幸せにできる力がない』
3『……由伸、』
18『安達さんには、あるから』
3『由伸、俺にはそんな力も資格も何もないんやで
だからこんな………こんなにも……後悔だらけや。
由伸、……Aをよろしくな、こんな最低な先輩でごめん』
Aが俺から離れようとしてるなんて、オリックスを離れようとしてるなんて、知らなかったから。
18『なんて無責任なんですか』
3『……その通りや。俺は、本当に最低でクズな人間なんや。
だから……頼むからAを離さんでな、由伸』
18『……?』
……由伸、泰輔、……A。
こんな最低な人間で、ほんまにごめんな。
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きちでーす(プロフ) - 久しぶりの更新、ありがとうございます!続き楽しみです! (2022年3月6日 10時) (レス) @page25 id: 0950913df0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みさ | 作成日時:2022年1月20日 16時