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side 18
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ついにその時がきた。
大逆転でのリーグ優勝。
たくさんたくさん苦しんで、今年もたどり着いた場所。
……でも、去年たどり着けなかった場所がある。
今年こそ、今年こそは。
日本の頂点に立つと、改めて決意を強くした。
「……由伸!おめでとう!」
まだまだ熱が覚めやらぬ中、1人1人に声をかけていたAさん。
Aさんの顔を見て、少しだけ目の奥が痛んだ。
18『……Aさん、』
「ん?」
18『……伝えたいことがあります』
「……実は、私も伝えたいことがある」
……いつも以上に真剣な瞳をしたAさんに、胸がドクンと波打ったのを感じる。
「……と、言おうと思ったんだけど、今日すごく興奮してて伝えられそうにないなって。
……だから、日本一になったら、伝えたいと思ってる。
今年のオリックスは、やってくれるって確信してるんだ」
18『……Aさん、じゃあ僕も、そうします』
「あれ、そっか、分かった」
スタッフさんに連れられビールかけの会場準備のため急いで球場を出たAさん。
……告白しようと思った。
けど、今のAさんを前にして、それはできなかった。
何、言おうとしてたんだろう、Aさん。
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きちでーす(プロフ) - 久しぶりの更新、ありがとうございます!続き楽しみです! (2022年3月6日 10時) (レス) @page25 id: 0950913df0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みさ | 作成日時:2022年1月20日 16時