くのいちです。 (ページ3)

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ねこ。ページ3

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「なにしてるの」

じ、っと机の下から覗いてくるAちゃん。
最初こそ俺の方が歳が上だからなのかずっと敬語だったけど、俺の方が後輩だって言い張り続けてやっと敬語が取れたような。

深田「Aちゃん書きました？アンケート」

「……忘れてた、見せて」

俺が座っている椅子半分奪って、じ、とアンケート用紙に顔を近付ける。あまりにも近すぎるから「近いっすよ」と首元の服を引けば怪訝そうに見られてしまった。
……表情動かすの苦手って言ってるだけで、全然動いてるし端々に出る無意識な表情はちゃんと可愛いんだけどね。
確かにほかの人より動き方が微細な気はするけど。

言うと意識し出しちゃうから誰も言わないだけで。

「……Aちゃんってマジで猫っぽいよね」

「……猫？」

「猫」

「さあ、わかんないけど」

どの辺が？って上目遣い。そのあざとい所はどっちかって言うと犬っぽいかもだけど。
する、と指先で頬をなぞればくすぐったそうに身をよじる。

今日は割と機嫌良さそ、なんてね。
いつもなら怪訝そうに眉間に皺寄せるのに。

「俺好きだけどね、猫」

「……ふぅん。……飽きた、それあとで考えることにする」

がんばってねー、なんて言って今度はうっちーの所に行った。

喉鳴らして寄ってみたり、すぐどっか行ったり、猫っぽいとは思ったけどただ飽き性なだけかもしんない。Aちゃん。