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｢A昼食べよ｣
｢あーーごめん今日忘れたんだよね｣
買ってくるから先食べてて、と席を立とうとしたら絢音も一緒に立った。
｢じゃあ食堂行かない？｣
｢食堂、いいけど…｣
食堂は上級生が溜まってる印象あるから緊張するな。
絢音は初食堂にるんるんといった様子。
｢やっぱ人多いね｣
｢A〜私先席取っとくわ｣
既にコンビニで買ったパンがある絢音は、空いている席に先に向かった。
え、心細いな。
何にしようかなと考えながら並んでいると、とんとんと肩を叩かれた。
振り返ると、ほっぺたに尖った感触。
｢…京本先輩｣
｢やっほ｣
｢手退けてくれますか｣
｢ほいほい｣
意外と深く抉られたほっぺを擦る。
中学の時もこんな感じだったなこの人。
痛がる私を見て、先輩は満足そうに腕を組んで頷いている。
前々から思ってたけど顔の良さでこの奇天烈さがカバーできてると思ってるのか。
｢Aが同じ高校に来たとは知らなかった｣
｢そりゃそうですよね｣
｢北斗と樹と普通に喋れてたみたいだから良かったよ、それともあの2人だから？｣
｢…でも中学の時よりは大丈夫なんで｣
色々言葉を濁して言うと、京本先輩は顎に手を当てて頷いた。
いちいちモーションが腹立つのはなんなんだろうか。
｢そんな感じはする。どっちにしろよかったわ｣
｢京本先輩毎日食堂ですか？｣
｢うん、オススメはね、カツカレー！！｣
そう言ってドヤ顔で先輩が指差す、メニュー表のカツカレーの文字。
その隣にはかしわうどんの文字が。
｢じゃあ、かしわうどんで｣
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作者名：春野 | 作成日時：2021年12月10日 21時
