図書委員の松村くん (ページ16)

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「ハァ〜暇。｣

今日も松村くんは美術部にモデルで行ってるから1人。

図書室も今日は人が少ない。

働くことも無い。

本当に図書委員は私達以外働かないし、本当に静か。
静か過ぎて怖い。二宮さんは相変わらず奥の司書室に篭っている。

｢…ハァ｣

２度目の溜息をつきながら、課題をするために鞄を漁る。

｢…あら、｣

三十秒くらい鞄を漁ったところで気づく。

しまった、課題のプリント教室に忘れた。そういえばすぐノートに綴じないでそのまま机の中につっこんでたっけ。

｢はぁー｣

三度目のため息をついて、席を立ち、図書室を出る。

いやだなーこっから教室まで階段上がらないといけないじゃん。
心の中で課題を忘れた自分にぶつくさ文句を言いながら教室にたどり着く。

ガラッと教室のドアを開けると、窓が空いてるのか風が入ってきて気持ちがいい。

中には数人の男子達が机に座ったり窓に座ったりして屯していて、私が入ってきたのを一瞥してまた話し出した。

…私の席に座らないでよ

声も大きいし下品な話してるし、なんだか苦手なタイプの人たち。

同じ「チャラい」の括りでも田中くんとは違う。あれは話しにくい。

「…あの、ちょっと荷物取りたいんだけど」

そう言うと、退いてくれると思った。

「えーじゃあLINE教えてくれたら退くわ」

「お前バカじゃねぇの」

「だってさ、してやってくんね？Aサン」

…どうしよう、この場合どうするのが正解なんだろ

まさかこんな返しされると思わなくて戸惑う。