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2神はいたが居なかった。 ページ4







「――、―ぃ――おい、おい!!!」






二日酔いみたいにガンガンする頭に、
精一杯の怒鳴り声。




『今度は、なに?』




さっきまでフラフラしていた体に重みができて、
立とうとしても、思う様に立ち上がれなかった。







「何、はこちらの台詞だ。いつの間にかソファに座っていたと思えば、爆睡している不審者に"なにか用か"と言われるのは驚きだな」

「国木田君。困ってるじゃないか。
とりあえず名前を吐かせよう」






目の前に立ちふさがる二人のうち、メガネの男。
ことに"国木田"と呼ばれた男が、「名前は」と簡潔に言い放つ。





『名前。名前ねえ・・』





ぐるりとあたりを見回して、

見たところ、
元いた世界と変わらない
オフィスの一角の様だ。






『A。名字はない。
ところで国木田クン、俺は名乗ったんだ。君たちの名前も是非とも知りたいな』

「名乗る名前など―――」

「太宰治だよー。で、こっちが助手の国木田くん」

「誰が助手だ!!!誰が!!」







手足は――縛られていないか。


"不審者"になんの処置もしないなんて

日本って言うのは平和ボケした国って、
ほんとだったんだ。




『いやあ、本当うっかり侵入しちゃってごめんなさい。この通り何もとってないんで、
今回だけ見逃してくれませんかね』

「それは無理だね。
A君・・だったかな。
私たちは甘さこそあれ、無能ではないのだから」






優しく諭されるような言葉の裏に、
縄よりも強い重圧を感じる。





『無能だなんて一言も』

「無理なんだよ。そもそも君が探偵社(ココ)に誰にも気付かれずに侵入するっていうことが、ね」



『ご自身を買いかぶりすぎでは?』




「そうだね。確かに私一人では全ての人間を見過ごさないとは言えない。けれども、探偵社の人間がこの場に5人もいて、君の侵入を、君が寝返りを打つまで気づかなかったなんて、"普通の人間"のできる事じゃない」









――――――君は、誰かな。









確信にも近い言葉が、
心の奥まで見透かすように覗いてくる。









言い訳をしようにも
信じてもらえるわけは無し。



かと言って誤魔化しは効かないだろう。






『さて、困った』







・・・ああ。
寝起きそうそう、

最悪だ。









3神は居たが居なかった。→←1 神は居たが居なかった。



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(プロフ) - 作風がとても好みです。更新楽しみにしてます^^おヒマな時でいいので是非更新して欲しいです〜 (2018年2月15日 21時) (レス) id: 08e4aa4459 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 面白いです! 更新頑張って! (2017年11月26日 16時) (レス) id: b249a2dfe1 (このIDを非表示/違反報告)
桃色レイカン(プロフ) - ひゃー、能力かっこいいですね!! それに話の内容も面白いし!! 更新頑張って下さいね!! (2017年11月25日 23時) (レス) id: 94e6182257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅花 | 作成日時:2017年11月20日 23時

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