12神は居たが居なかった。 ページ14
side太宰
部屋に残る微かな火薬の匂い。
Aくんの異能に国木田くんと共通点があるとするなら、匂いのもとは弾丸と仮定して差し支えなさそうだ。
―――眠ってても意識はあるな。
コンコン
「おい、入るぞ。だざ―――――」
「国木田くん、動かない方がいい」
ノックとほぼ同時にドアが開き、
国木田くんは部屋の中に1歩踏み込んでいた。
そして一瞬で向けられた銃口。
『・・・』
「Aくん、ここは私の部屋で
彼は国木田くんだ。敵じゃない」
『え・・・ああ。ごめん』
焦点の定まってなかった瞳が
徐々にこちらを向く。
彼の頭はまだ夢の中で、
体が条件的に反射したのだろう。
『なんか頭が割れそうで。
気を失ってどのぐらいたった？』
「２〜３分かな」
『そう。銃口向けてごめん国木田くん』
「あ、いや。気にするな」
驚いた顔をした国木田くんが、
今度はため息をついた。
「・・まさかと思うが、
A、少し我慢してくれ」
『？』
国木田くんが、片手を自分の頭に。
もう片手をAくんの頭にのせる。
「やっぱりだ。結構熱がある」
『通りで頭痛いと思った。
移したら悪いし、俺今夜は外で寝るよ』
「莫迦か。太宰、布団だ」
「りょーかーい」
テキパキと布団をしき、
その上にAくんを寝かせる。
『え、ちょ』
「安静にしてろ。
病人は寝ることが仕事だ」
『俺は大丈夫だか―――』
「貴様を社員にすると決めた以上、
社員の体調管理は社員のつとめだ」
日本社会の労働指導者の見本のような回答で
国木田くんはキビキビ答える。
「今日明日はしっかり休むように。いいな」
「国木田くんはこう言い出したら止まらないから、
大人しく寝てた方がいいよ」
『・・・は、はい』
国木田くんがもう一度睨むと
萎縮したように返事をして、
Aくんは大人しく横になった。
・
続く (更新停止中)
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蓮(プロフ) - 作風がとても好みです。更新楽しみにしてます＾＾おヒマな時でいいので是非更新して欲しいです〜 (2018年2月15日 21時) (
レス) id: 08e4aa4459 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 面白いです！ 更新頑張って！ (2017年11月26日 16時) (レス) id: b249a2dfe1 (このIDを非表示/違反報告)
桃色レイカン(プロフ) - ひゃー、能力かっこいいですね！！ それに話の内容も面白いし！！ 更新頑張って下さいね！！ (2017年11月25日 23時) (レス) id: 94e6182257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅花 | 作成日時：2017年11月20日 23時
