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佐久間「はっ！あ！！ご、ごめん！！」
佐久間は我に返り、慌てて腕を解いた。
佐久間(やべぇ、Aちゃんの事心配すぎて、凄い状態で話していることに全然気が付かなかった！…俺の腕の中にずっと居たんだよな(恥))
みるみると顔が真っ赤になる佐久間。
Aも顔が熱くなるのが分かりまた下を向きながらゆっくり階段を登ろうとした。
その時… すっとAの右手が後ろにひかれる。
A「え？」
Aは、自分の右手の行先に目を向けると…
佐久間の大きくて綺麗な左手が小さなAの右手をすっぽりと包み込むように握っていた。
佐久間「これなら、もう転ばないっしょ。」
佐久間はまだ真っ赤な顔をしながら、帽子でさらに顔を隠すようにボソッと言った。
A「…うん。ありがと(照)」
2人して真っ赤な顔をお互い隠すように階段を静かに登っていった。
階段を登り、高台の手すりに掴まる。
佐久間「わぁー！何これ〜やっべー！ちょー気持ち〜！」
A「…はぁ、はぁ… やばい、階段死んだ…」
佐久間「ははっ…、もうヘトヘトじゃん(笑) 見てよー富士山やばいって！」
佐久間はケラケラ笑いながら、Aの腕を引く。
A(いや、まじで息が…。足もやばい。最悪だ、体力筋力低下、運動不足。自分の生活スタイルを悔やむ。)
Aが顔をあげると「…はぁ、ふぅ…わぁ、富士山良く見える〜綺麗だね！ 写真撮りたい」
Aは左手でポケットからスマホを出す。
佐久間は自然と繋いだ手をそっと離した。
A「あ…ありがとう。手繋いでくれて、連れてきてくれて(笑)(照)」
佐久間「いーえ！！あ、俺も写真撮りたーい！」
と、佐久間もズボンのポケットからスマホを取り出す。
お互い富士山目掛けてパシャリ！
自然と撮った写真を見せ合う。
佐久間(Aちゃんとお揃いの写真だ)
A(大介君とお揃い？の写真だ)
2人はそれぞれ心の中で同じことを思った。
奇跡的に高台には、少し年配の夫婦が仲睦まじく椅子に腰掛けているだけで、他には人がいない。
佐久間「なんかさーずっと見てられる〜富士山も…」
A「ん？富士山も？」
佐久間はまた心の声がうっかり口に出てしまいそうになり慌てて止めた。
(そう、富士山もAちゃんも)
佐久間「富士山も、息切れしてるAちゃんもね(笑)」
そういって大きな声で笑う。
A「もー！またからかう〜！必死だったんだからぁ！」
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作者名：FlowerDream | 作成日時：2024年3月13日 0時
