3*熊さんって何て名前なんでしょう ページ4
ふわふわと、雲に包まれるような感覚。
それは徐々に私の意識を呼び覚まし、やがて現実へと引き戻してきた。
現実味のある重力が微睡みを薄くしていくように感じる。
「………嗚呼…私、姫の牢で寝ちゃったんですね…」
そうぽつりと呟くと、目をごしごしと擦って身体を起こす。
姫が居た所にはシーツの跡だけ残っているが、恐らく既に牢の外に出たのだろう、鍵が開いている。
さて、どうしようか。
自分の牢に帰るにしたって道が分からないし、魔物に聞くのは少し抵抗がある。
何せハサミを持って出歩く姫のことだ、はなから信用していては危険すぎる。
とはいえ、牢の外は魔物が彷徨いている訳で。
帰る当ても無いのならば、此処に居るしか無いのだろうが…少々不安が残る。
頭を抱えている所で、足にもふりとした感覚が伝わった。
「うわっ!?」
「むー？」
「…あ、昨日のくまさん…」
「むー！」
「え、一緒にトランプで…？ は、はい、まぁ良いですけど」
さっとトランプを出した熊の魔物？は、ふわりと飛んで壁の方へ向かう。
少し警戒しつつもそちらへ着いていくと、数匹の魔物が出迎えてくれた。
どれも言語は話していないようだが、何か言っている。
「むー！ むーむー！」
「…うん？ ババ抜きですか？」
「むー!!」
…どうやらそうらしい。
頷いた魔物は丸い手先でカードを配り始めた。
どうやって配っているのかは知らないが、器用だと思う。
手札からペアを抜き、見えないように持つ。
魔物達は目で合図すると、私の向かいの魔物から時計回りにカードを引き始め、私の番が来た。
「え、じゃあ適当に…」
「…むー…」
「な、何ですかその悲しそうな顔…じゃあ此方…？」
「むー！」
「…」
どうしよう凄く分かりやすい。
うーん、でもただ負け続けるのも手を抜いてるとバレるような…。
此処はお母様に教わった、ゲームをたしなむ時の丁度良い手抜きを使おう…！
＿＿
「ふふっ、今度の私の勝ちですね？」
「むー！ むー!!」
「えぇ、もう1回ですか？ でももうそろそろ姫が…」
「A姫…」
「っは、はい!?」
「君は何で姫の牢屋に居るんだい…？」
「ぇ、えっと…貴方は、」
「嗚呼、あくましゅうどうしだよ。
一応エリアボスをやっているんだがね…」
黒い耳と尻尾、それにちらりと見えた牙からして、彼が人間ではないのは分かったが…、えりあぼす？
魔物の事はよく分からない。
戦闘は幾分か出来ようとも、まさかこんな機会が来るなんて思ってなかったから。
4*優しい悪魔さん？ なんですね…→←2*姫って此処を牛耳ってるんです？
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shizukuk190812(プロフ) - 続き更新する予定ってありますか？？応援してます！とても面白かったです！頑張ってください♪ (2022年8月5日 21時) (
レス) @page6 id: d84002812f (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年11月19日 2時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - みささん» うぇっ、返信くそ遅れましたごめんなさい!!! お褒め頂き光栄です！ すっごい気まぐれ更新ですが頑張ります!! ありがとうございます!!!!!! (2020年3月7日 21時) (レス) id: 3486eef784 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いですぅぅ！がんばってください！ (2019年12月17日 13時) (レス) id: 3df2cbc2d5 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - みかんにゃ〜さん» わあぁ、ありがとうございます…!! そう言ってくださると励みになります…！ 気ままに更新して行くので、良ければこれからも見ていってください!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 3486eef784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコミント | 作成日時：2019年9月2日 7時
