1*此処って魔王城ですよね？ ページ2
「嗚呼、お父様、お母様……。
＿＿何故、私を軽々しく魔王様に渡してしまったのですか…？」
私がそう呟くと、見計らったように外で雷が鳴った。
開けっぱなしの大きな窓からは、光も音も、全てが流れ込んでくる。
外をじっと見つめれば、魔物が一匹。 雷を落とす練習をしていたようだ。
実を言うと、不自由はしていない。
むしろ三食全て与えられている上に、寝床も風呂もある。 優待遇だ。
魔物も妙によそよそしかったり、中には怯えている者もいたり。
しかし、お父様とお母様には呆れたものだ。
魔王が交渉しに来て、私も無理矢理参加させられて。
何の話かと思えば重々しい雰囲気で「魔王城に来てくれないか」。
あの時は謎の言語を聞いたのだと思った。
そして、その話を聞いた二人が何と言ったか。
二人揃って「あ、別に良いですよ」だ。
馬鹿野郎。 私に親なんて居なかった。
そんなこんなで魔王城に来て数日。
牢の外が騒がしかったりして、中からそろりと覗こうとすると、大きな犬のような魔物を始め、数匹が此方を見て涙を流していた。
感動したらしい。 何故だろう。
確か此処には、カイミーン国の姫であるスヤリス姫も居た筈だが…、その姫の話題をたまに耳にすることがある。
その話をする魔物は大抵疲れきった顔をしているのだが。
それにしたって毎日のように爆発音が聞こえるのは一体…今だって、近くで＿＿…。
「…す、スヤリス姫!?」
「…君誰？」
「あっ、えぇと私、アニマール国のAと言います…」
「………………………嗚呼、もふもふの…人がいっぱい居る所。
君ももふもふだね」
「えっ？ あ、ありがとうございます…」
何と言うか迷った末に感謝を述べたものの、今の姫には色んな突っ込みどころがある。
まずどうして出歩いているかは置いといて、手に持った綺麗な白い布、可愛いデザインの枕、そしてドレスに付いた…血痕…。
「…あ、あの、姫…その血は…？」
「これ？ 返り血だよ、皆の」
「殺戮を!? ま、魔物達に怯えるどころか魔物達を脅かすんですね…？」
「…みんな、良い人達」
「えっ、じゃ、じゃあ何で…」
「分からない。
でも、人肌が恋しくて…部屋に来てほしいって言ったらみんな倒れちゃったの」
「そ、それは…」
…姫の方に問題があるというか。
何処から突っ込めば良いのかは分からないが、姫は魔物達を恐れている訳では無いらしい。
まぁ、牢の外を彷徨いている時点でそれは分かるのだろうが。
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shizukuk190812(プロフ) - 続き更新する予定ってありますか？？応援してます！とても面白かったです！頑張ってください♪ (2022年8月5日 21時) (
レス) @page6 id: d84002812f (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年11月19日 2時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - みささん» うぇっ、返信くそ遅れましたごめんなさい!!! お褒め頂き光栄です！ すっごい気まぐれ更新ですが頑張ります!! ありがとうございます!!!!!! (2020年3月7日 21時) (レス) id: 3486eef784 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いですぅぅ！がんばってください！ (2019年12月17日 13時) (レス) id: 3df2cbc2d5 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - みかんにゃ〜さん» わあぁ、ありがとうございます…!! そう言ってくださると励みになります…！ 気ままに更新して行くので、良ければこれからも見ていってください!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 3486eef784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコミント | 作成日時：2019年9月2日 7時
