第32話 ゲーム:1 ページ33
たこ焼き器を戻すついでに私も家に届けてもらった帰り。
暦海を車に残して彼女はこっそり私に耳打ちをする体制になった。
「たこ焼き器を借りる際に少しだけお部屋を見てしまったんですが…。あの、お部屋にあったもの、なんですけど…」
ヤバいやっぱりAV隠し忘れたか！？
とドキドキする私を他所にAさんはパンと手を合わせた。
「Wii貸してください！」
「…ほあ？」
生涯出さないような間抜けな声が出た。
今さらだが私の趣味は専らゲームである。
なんでもござれなのだが最近は音ゲーをやる日々だ。
Wiiとか全然やってないからあったかどうかもあやふやなのだがAさんがそういうならあったんだろう。
「いいですよ」
「よかったぁ…！あのですね、うちゲーム機ないんですよ！」
「そういやないですね。てっきり暦海がやりたいと言い出したんかと思ったんですけど違うん？」
「暦海くんもやりたがってはいたんですけども…。私も個人的にやりたいものがあったんです！」
Aさんは妙に生き生きしている。好きなのだろうか、ゲーム。
だとしたら共通の趣味になるため嬉しいのだが。
来る数日後。
ゲーム機一式を持ってきた私は暦海に聞いてみた。
「Aさんってゲーム好きなんですか？」
「わかんない」
「見たことないとか？」
「ううん。でも…よくかってた、かも」
ボンバーマンがやりたかったらしくソフトをうきうきと立ち上げていた。
よかったらお相手してくれませんか？と和やかに誘うものだから暦海の言葉を忘れあっさり乗った。
…これがいけなかったのかな。
「待ってAさん！私もう10連戦してて一度も勝てる見込みすらない！」
「が、がんばれ♡がんばれ♡」
これでもうまい自信あったんだけどな！？
にこやかな顔してとんだ爆弾魔だった。これ系は苦手なイメージだったのだが！
「唯一勝てるゲームなんです。あんまりやってないと鈍っちゃいそうだったので貸していただけてよかったぁ」
「ああ、そういうこと…」
そして私は彼女の糧になった、と。
悔しいまま終われずマリオを暦海とやろうとするのを防いだ。
「もう一戦だけ…！お願いできますか…！」
「…悪くない光景ですね」
跪く私は相当愉快で教育に悪かっただろう。
ついでにそれを見て恍惚に笑った彼女の表情もよくない。
この日はAさんの意外な一面を見た日であった。
実はこれ以降私が彼女に勝つことは一度もない。
余談だがマリオはド下手くそだった。暦海の方が上手かった。
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ゆーか@実況者厨 - 順位付きおめでとうございます。ほんとにtowacoさんの性格掴んでるなぁと思わず読みふけってしまいました。これからも応援しています！更新頑張ってください (2016年10月29日 10時) (
レス) id: b57f6b3e4c (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - スベリヒユさん» 誰かわかるかなと思っていたら即刻ばれました(笑)当たりです。がんばります、ありがとうございます。 (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！がんばっていきますのでよろしくおねがいします！ (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
スベリヒユ(プロフ) - 凄く面白かったです！！「暦海」っていうのは以前生放送で子供に付けたいと言っていた名前ですかね？雰囲気もギャグも素敵です！更新楽しみにしています！とわぽん大好き(≧▽≦) (2016年10月9日 20時) (レス) id: 3b55e177ce (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!towacoさん大好きなんでこういうの凄い嬉しい( *´艸`)更新頑張って下さい!! (2016年10月9日 16時) (レス) id: 63ce42142e (このIDを非表示/違反報告)
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