第31話 おうちごはん:4 ページ32
生のタコを置いて行った父親もそうだがそれを見てたこ焼きにしようと私を頼ったAさんもかなりアグレッシブだ。
行動力は暦海の件で痛感してはいたが。
「タコあかくなってるー。なんで？」
「アルカリ性の煮汁が出るから黒色の色素を溶かすんです。そんで赤色だけが残るからこうなります」
「どろがおちたんだ」
「ま、今はその解釈でいいでしょう」
むしろよく今の説明で分かったと言いたいところだ。こいつさては頭いいな。
鍋の中を覗こうとする子供と危ないからと近づかせない仁義なき攻防戦が始まったあたりでAさんがぱしゃりと様子を撮っていた。
「もうすっかり親子ですね」
「…Aさんも来ます？」
「いいえ、見てるのが楽しいので」
精一杯の誘いをあっさり断られてしまい心に傷を負ったが表には出さないようにした。
「それに…そこにいるのは私じゃなくて…………だと思い……から」
「Aさん？何か言いました？」
「何も。…さ、暦海くん。あんまりとわこさん困らせちゃダメですよ。一緒に粉まぜまぜしましょう」
「はぁい」
だから彼女の独り言は聞き取れなかったのだ。
別に聞き取れたとしても何も変わらなかったと思うが。
「やっぱり関西人はたこ焼き焼くの上手なんですか？」
「あんまりハードルあげんといてください」
たこ焼きプレートを囲んで食べる様子は不思議と実家を彷彿とさせた。
冷ました状態で暦海に食べさせているAさんはどう見ても母性を感じさせるが本人が母親の立ち位置に抵抗があるらしいので黙っておく。
…頑なに嫌がるんですけどまさか私と親子に見られるのが嫌とかそういうことはないよな？…ないよな？
「今日は本当ありがとうございます。父は一回絞めます」
「程々にな。面白い体験が出来たんで自分は構いませんよ」
「またやって」
「うーん…生のタコが手に入るかどうか…」
どうやら気に入ったらしい。餃子のとき(第7話)もそうだったがこいつは作る作業が好きみたいだ。
Aさんは捌くのが苦手なのか困った顔をしていたがどうなることやら。
「たこ焼き焼くくらいなら出来るんで、やりたいときは呼んでください」
「わぁ！嬉しいです！暦海くん、宜しくお願いしますは？」
「くるしゅうない」
「ほんまそういう言葉どこで覚えてくるん？」
口の周り青のりでいっぱいにしても恰好つかんぞ。
今回の見どころとすれば一口で食べたAさんが熱かったのか結構必死で口元を抑えていたことくらいだ。可愛すぎかよ。
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ゆーか@実況者厨 - 順位付きおめでとうございます。ほんとにtowacoさんの性格掴んでるなぁと思わず読みふけってしまいました。これからも応援しています！更新頑張ってください (2016年10月29日 10時) (
レス) id: b57f6b3e4c (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - スベリヒユさん» 誰かわかるかなと思っていたら即刻ばれました(笑)当たりです。がんばります、ありがとうございます。 (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！がんばっていきますのでよろしくおねがいします！ (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
スベリヒユ(プロフ) - 凄く面白かったです！！「暦海」っていうのは以前生放送で子供に付けたいと言っていた名前ですかね？雰囲気もギャグも素敵です！更新楽しみにしています！とわぽん大好き(≧▽≦) (2016年10月9日 20時) (レス) id: 3b55e177ce (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!towacoさん大好きなんでこういうの凄い嬉しい( *´艸`)更新頑張って下さい!! (2016年10月9日 16時) (レス) id: 63ce42142e (このIDを非表示/違反報告)
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