第27話 髪:1 ページ28
「お前の髪って誰にやってもらってます？」
「A」
学芸会からまた数週間経った。
彼の言っていた言葉も気にはなるが突然聞くようなことはしない。
外堀を埋め、自分の予想範囲内になったら答え合わせをするつもりだ。
「2年前からずっと？」
「のびてたからAがきってくれた」
最近質問したらきちんと返答が返ってくるあたり仲は段々と縮められているのだろう。
一重にAさんのお陰だ。
「Aの手、やさしい手」
「はい？」
「暦海の髪はAさんが切ってるんやね、という話をしてました」
台所で梨を切っていたAさんが戻ってくる。
皿に盛られたそれはアイスばかり食べないようにするための配慮らしい。
暦海は好きらしく真っ先に飛んでいった。
「えっ、あっ、は、はい。母に習ったので不格好にならない程度、ですけども」
「いやいや。上手ですよ」
ただの雑談ではない。
外堀を埋める、の最中だ。
暦海の髪型なのだがなかなかどうして私にそっくりなのだ。
彼女の母親から指摘がある程度(第12話)には似ている。
…では初めてあったとき(第3話)髪質が似ていると言ったのはギャグでも何でもなく彼女のうっかりだとすれば？
今の動揺の仕方で確信がいったが彼女は意図的に私と同じ髪型を彼にさせている。
…何故？
この何故と暦海の言葉はまだ噛み合わない。
もう少し、もう少し情報があれば様々な問題が繋がる気がするのに足りない。
「どうせ野郎の髪ですからね、適当でも誤魔化しききますよ」
「そんなことありませんよ！？変になってないかいつも真剣です！」
「じゃあ私の髪も真剣にやってくれます？」
「望むところです！………ん？」
このお嬢さんバカなんじゃないか。
口車にのせるのは十八番のようなものなので失敗はしないと思っていたがこうも簡単に引っ掛かると将来が心配になってくる。
「私が？とわこさんの髪を？kill？」
「何やら物騒な単語が聞こえたんですけど普通に切ってくれますよね？」
「ええ、簡単にでしたら…ってどうして私が切ることに！？」
「Aおれもそろそろきって」
「え、ええぇー…」
偶然か暦海も頼むことで断りきれなくなったAさんは困ったように眉を垂らした。
「ド素人ですからね！？保証しませんよ！？」
「平気ですって。失敗したらワックスでも買ってください」
ひらひら手を降るとAさんは降参したように項垂れた。
はてこれが暦海の件と関係あるかって？
まぁ細かいことは気にしてはいけないのだ。
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ゆーか@実況者厨 - 順位付きおめでとうございます。ほんとにtowacoさんの性格掴んでるなぁと思わず読みふけってしまいました。これからも応援しています！更新頑張ってください (2016年10月29日 10時) (
レス) id: b57f6b3e4c (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - スベリヒユさん» 誰かわかるかなと思っていたら即刻ばれました(笑)当たりです。がんばります、ありがとうございます。 (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！がんばっていきますのでよろしくおねがいします！ (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
スベリヒユ(プロフ) - 凄く面白かったです！！「暦海」っていうのは以前生放送で子供に付けたいと言っていた名前ですかね？雰囲気もギャグも素敵です！更新楽しみにしています！とわぽん大好き(≧▽≦) (2016年10月9日 20時) (レス) id: 3b55e177ce (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!towacoさん大好きなんでこういうの凄い嬉しい( *´艸`)更新頑張って下さい!! (2016年10月9日 16時) (レス) id: 63ce42142e (このIDを非表示/違反報告)
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