第18話 二人きり:2 ページ19
人の言葉は薬にも毒にもなる。
だから脳みそをフル回転させ弁解の言葉を紡ごうとしたが出てきたのは拙い本心だけだった。
「すいません、そういう意味じゃないんです。ただ…暦海の世話をここまでしてくれているAさんにも一人の時間とかが必要なんじゃないかって、そう思っただけなんです。決して私がAさんと会うのが嫌とかそういうことじゃなくて、Aさんに非があるわけでもなくて…ほんと単純に、Aさんのことが、心配だったんです」
それでも言いたいことは言えた気がする。
余計恥ずかしいことになった気もするが考えていられない。
目を見開いたままのAさんの返しもまた予想外だったが。
「名前…私の名前、知ってたんですか？」
「は？」
「普段お嬢さんか君しか言われないので忘れられてるのだとばかり…」
あれそうだっけ！？頭の中では呼んでるつもりやったんやけど口に出てなかったか！
そんなことより私の弁解が伝わったのか知りたかったのだがAさんはすぐに「良かったぁ」と気の抜けた笑顔を見せた。
「怒らせちゃったのかと思いましたぁ。遠回しに迷惑だって言われたのかと…」
「ここまでしてもらってそれ言うやつは外道以外の何物でもありませんよ」
ここまでしてもらって嫌われようとした私はゲスの極みですけど。
すっかりご機嫌なAさんを見て私もほっと胸をなでおろした。
「親子揃って似たようなこと言われるとは思いませんでした。さて、それじゃあ私はお会計してきますね！」
重そうな買い物カートを転がし手を振る彼女に振り返した。
…ん！？
もしかしてお昼なかったことになってる！？そりゃそうか！ここで昼誘うとかどんなメンタルでも無理やろな！
ここで忘れたフリをして立ち去ればよかったものの私という男はどうしようもなく泥沼に嵌っていくタイプだった。
Aさんの後ろからカートを押すと突然軽くなった驚きでこちらを振り向く。
「さっき嫌な事言った詫びになるか分からんのですけど…荷物持ちくらいします」
「いいのに…！じゃ、じゃあお礼に」
「お礼は…その、嫌じゃなければですけど…」
ついでに自分の買い物も彼女のものと纏めた。
無論奢るつもりだ。Aさんは遠慮するだろうが自分の気が収まらない。
「お昼ご馳走になってもいいですか」
自覚できるほど酷い掌返しをしたというのにAさんはぱっと顔を明るくさせ何度も頷いた。
それは密かに焦がれること許してくれるような笑顔だった。
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ゆーか@実況者厨 - 順位付きおめでとうございます。ほんとにtowacoさんの性格掴んでるなぁと思わず読みふけってしまいました。これからも応援しています！更新頑張ってください (2016年10月29日 10時) (
レス) id: b57f6b3e4c (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - スベリヒユさん» 誰かわかるかなと思っていたら即刻ばれました(笑)当たりです。がんばります、ありがとうございます。 (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろ(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！がんばっていきますのでよろしくおねがいします！ (2016年10月10日 0時) (レス) id: c45ae40ad4 (このIDを非表示/違反報告)
スベリヒユ(プロフ) - 凄く面白かったです！！「暦海」っていうのは以前生放送で子供に付けたいと言っていた名前ですかね？雰囲気もギャグも素敵です！更新楽しみにしています！とわぽん大好き(≧▽≦) (2016年10月9日 20時) (レス) id: 3b55e177ce (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!towacoさん大好きなんでこういうの凄い嬉しい( *´艸`)更新頑張って下さい!! (2016年10月9日 16時) (レス) id: 63ce42142e (このIDを非表示/違反報告)
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