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「せやな、芝生広場や」
治は鷹揚に頷くと、キョロキョロと辺りを見渡してまた歩き出す。
それを追いかけながら尋ねる。
「こんなところで何すんの？ピクニック？」
「え、よう分かったな」
「芝生の上ですることなんて大体ピクニックって相場が決まってるでしょ」
昔の思い出が蘇って、ちょっと複雑な気分だけど。
「せやで、ここまで天気が良いとピクニックする他あらへんやろ」
「意外と治ってそういうこと考えるんだね…………」
鼻歌でも歌い出しそうなほど上機嫌の治が見つけたのは丁度影になっている大きな木のそばだった。
「言ってくれればなんか持って来たのに」
「ええねん。A絶対自分で作らへんやろ」
「…………悔しいけど合ってる」
「買ったもんに意味はあらへんからな」
彼はそう言ってサッとどこからか取り出したレジャーシートを引くと、そこにバスケットやら諸々の荷物を置いた。
「ほい、ええ加減に腹減って来たし食うか」
治がバスケットから取り出した数々の料理の品々を見て、思わず絶句する。
「まさかこれ…………」
「朝イチで作って来た」
治、料理できるんだ。というか作るの上手い。
これだけの量を作るのは大変だったろうに、よくもまぁ作ったものだ。
「どれから食う？」
「えっ、私も食べるの？」
「お前の為やのにお前が食わんでどないすんねん」
早よ選んでや、と治に急かされ私は並んだ料理達の方を見た。
どれも良くできていて美味しそうだが…………
「これ食べたい」
「ん、ハンバーグか。見る目があるわ」
その見る目があるのかは分からないが、どうにもそのハンバーグは、
「お母さんのハンバーグが世界で一番好きだったの」
ボソリと呟けば、治が息を飲む音がした。
「もう食べられないけどね」
「お前は、それをもう一度食いたいと思うか？」
あぁ、もしそれが叶うならば______
「うん…………食べたいかな」
「お前のおかんにオレのが勝てるとは到底思えへん」
せやけどな、と治は続ける。
「お前の舌が今一番欲しとるもんは、多分誰かが自分のためだけに作ってくれた、気持ちのこもった飯なんやと思う」
真摯な目と、力強い言葉。
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( ͡° ͜ʖ ͡°) - 天使たちの界隈、、、ご馳走様でした。 (2022年7月3日 15時) (
レス) @page16 id: 66af0a391c (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 続編読みてぇ…！！ってなりました！とってもワクワクしました！ (2021年3月5日 1時) (レス) id: b7466b25cd (このIDを非表示/違反報告)
アネリア - てゐさん» うぉぉぉぉぉっ！カッコ良死するっ！めちゃ良かったですっ！頑張って下さいっ！応援してますね！ (2018年5月18日 15時) (レス) id: e38d234ea8 (このIDを非表示/違反報告)
てゐ(プロフ) - awoakes72ekil11さん» ありがとうございます！ (2018年5月7日 10時) (レス) id: 8cb19e8708 (このIDを非表示/違反報告)
awoakes72ekil11(プロフ) - 良いお話しですね(*´ω`*)少しずつ楽しく読ませていただいてます(*´ω`*) (2018年5月3日 21時) (レス) id: 6700fbd6c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てゐ | 作成日時：2018年4月30日 17時
