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第三十五話 ー嫉妬ー ページ4

「だって・・・、だってAが・・・!」


え?俺のせい?


「折角Aと二人で遊べるもん!!」


何時もより少し大きめの声量で顔を赤くし、目尻には涙を浮かべた正太が俺にそう言った。


「A、いっつも他の奴と遊ぶ。俺が一番最初にAと遊んだのに。Aは直ぐに他の所へ行っちまう。俺、悔しくて寂しかった!」


冷たい風が頬に当たる。


「そっか、話してくれてありがとな。正太はこの中じゃ一番のおにーちゃんだから色々と我慢させてたよな。ごめんな。」

「違う!俺は謝られたいんじゃない!Aと、・・・Aと遊びたい!」



好奇心旺盛で素直で何事にも一生懸命取り組むちっちゃなおにーちゃんは本当は寂しがり屋で独占欲が少し強い七歳のガキんちょ。


「俺、正太の新たな一面が見れて嬉しいよ。」


そうして俺らは二人で羽根つきや相撲等で遊んだ。

他の子達が一緒に遊ぼうと誘ってくれたが、正太は嫌だと否定するばかり。
俺の説得(?)で最後は皆で鬼ごっこをして終わった。




「ふぅ、子どもの相手は疲れますねー。」


帰途に就いている時、三之助が一息ついて言う。
その発言にこの場にいる全員・・・否、一名を除く。
こう思った筈だ。


下手したらお前の相手の方が疲れる・・・と。


「正太君、A先輩の事大好きなんですね!俺も後輩達に慕われる予習をしておかないと!」



藤内はそのままでも十分だと俺は思うけど、本人の成長の機会だから黙っておく事にした。

まぁ、予習・・・じゃ無くても良いとは思うけど・・・。



皆が町の子ども達と遊んだ感想を言い合っているが、作兵衛の様子が少し可笑しい。

何かうずうずしている感じだ。

手を胸に寄せてキュッと結ぶがすぐ解く。


っあ、〈約束〉したんだったな。



俺は丁度作兵衛の隣だから小声で話す。


「作兵衛、ん。」


作兵衛はこちらを向き、俺の差し出された手を見る。

俺の手の平にそっと作兵衛の手の平が乗せられた。
そして俺が手を握りしめると、直ぐに作兵衛も俺の手を握りしめる。

作兵衛の温もりが手を伝って伝わる。

作兵衛の方を見ると、とてもにこにこ笑顔でつられて俺も口元が緩む。



「あー!作兵衛とA先輩が手を繋いでる!」


真っ先に気づいたのは左門だ。
それに反応して皆の視線が一気に俺と作兵衛の手元に移る。


「作兵衛ずるい。僕もA先輩と手を繋ぐ。」


孫兵がそう言いながら俺の隣に移動し作兵衛と繋いでる手の反対側を繋ぐ。

第三十六話 ー七列ー→←第三十四話 ー紹介ー



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あい(プロフ) - ありがとございます🥺 (2022年3月20日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
氷室アオイ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!体調までお気遣い頂き本当にありがとうございます…!!あいさんも、三寒四温の時期ですのでお体を大切にお過ごし下さい☺️ (2022年3月20日 20時) (レス) id: 1a5681ae5a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 全員出動楽しみです!! リクエストこちらこそ忙しいのにありがとございます🥺 ゆっくりで良いので体を大事にして下さいね、、風邪引かないように気をつけてください (2022年3月20日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
氷室アオイ(プロフ) - あいさん» コメント、リクエストありがとうございます!リクエスト無理を言ってしまい申し訳ありません… 忍術学園全員出動!ですよね?ご期待に応えれる様なお話は書けないかもしれませんが頑張ります!今の内容が終わったら即書かせて頂きます! (2022年3月20日 20時) (レス) id: 1a5681ae5a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あ!! ありがとございます 泣きそうですwww また続き描きますねwww えっとリクエストなんですけど映画を書いて欲しいです!! 喜三太救出とオオマガトキの話です (2022年3月20日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷室アオイ | 作成日時:2022年1月17日 20時

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