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◇story 8◆ ページ10
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彼女の父と母は全国一の難関大学卒業生であった。それだからか、他人に比べてプライドが異様に高く、90点代の点数でも決して許さなかった。
「100点でないと意味が無い」
「1位でないと意味が無い」
それが彼らの口癖だった。
Aが幼い頃、テストで98点をとり、彼らに自慢したことがあった。Aは喜んでくれると嬉々しながら母と父にそれを渡した。
「恥ずかしい」
しかし、返ってきた言葉は非常に冷たかった。そして軽蔑の目を注がれた。
『なんで100点じゃないの?』
目はそう語っていた。嫌だ。そんな目で見ないで。泣きそうな心の叫び声は音にならずにAを苦しめた。
Aが猛勉強を始めたのはそれからだ。そして協調性を犠牲にしたのは。
数少なかった友達もAから離れた。きっと天才にしか見えないAと近くにいることで比べられるのが嫌だったのだろう。だからAは独りぼっちだった。
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作者名：ρυυτα* | 作成日時：2016年5月15日 17時
