432 ページ32
類side
.
「司....」
あきらの言葉に一斉に後ろを振り返った俺達。
そこにはあきらの言葉通り、司がいた。
「....！！」
思わず言葉をなくしてしまう。
何と言うタイミングなのだろうか....
「司....」
「何しに来た？！」
俺が声を掛けたと同時に総二郎が凄い剣幕で司を睨んでいた。
「司、今頃何しに来たんだ？！
自分が何をしたのか分かってて類の前に現れたのか！？」
いつもはポーカーフェイスを得意とする総二郎が、こんなに怒る所は見た事がなかった。
隣にいる松岡も驚いて固まっている。
「司、何とか言えよ！」
怒っていても場所を弁えているんだろう....
総二郎は怒鳴る事はしなかった。
「総二郎、ありがとう。ここからは俺が話すから....」
俺は総二郎にそう言ってから、司に近づいた。
司の今の気持ちは分からない。
でもここで恥ずかしい行為はしないだろう....そう思った。
「司、どうしたの？」
俺が司に声を掛けると、司は下に向けていた視線を俺に移した。
一体、何だって言うんだ？
「類...すまなかった！！ごめん...！」
突然、司は頭を下げた。
「えっ？」
俺は目の前で何をされているのか理解するのに時間が掛かった。
司が謝っている。
しかも、頭まで下げて...
「！！司、頭を上げてよ。ここでそんな事したら目立つ」
俺は司に頭を上げてもらって、司の話を聞こうと思った。
まさか司が謝る所なんて今まで１度も見た事無かったのに、こんなにすんなり謝られると調子が狂う。
「司、急に謝るから驚いたよ。どうしたの？」
俺がそう言うと、黙って一部始終を見ていたあきらや大河原達も近づいて真剣に司の話を聞こうとしていた。
「...俺、今まで自分の回りが全く見えなくて。
牧野を取り戻す事だけに躍起になってた。
牧野は俺といる事が一番幸せで、俺も牧野といる事が幸せなんだってずっと思ってた...。
だから、類が邪魔だった。
牧野に何度も自分は類が好きだって....
類との婚約は自分の意思で決めた事だって言われても、そんなはずないって自分の都合よく解釈してた...。
どうしても取り戻したかった。
マスコミに俺と牧野の記事を流したのも、類の会社を狙ったのもそうすれば牧野が俺の所に戻ってくると思ったから....。」
「司....」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2022年1月11日 15時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 初めまして、とても面白くて一日で全話読んできました。色々大変かとは思いますが更新楽しみにしています。 (2021年12月10日 18時) (レス) @page4 id: df7faafefb (このIDを非表示/違反報告)
r.s(プロフ) - とても面白い作品です！！更新楽しみにしています！！ (2020年8月9日 4時) (レス) id: f0dda2e9a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ す か 。 | 作成日時：2020年5月10日 13時
