415 ページ15
.
「こっちに来てさ、最初は安いアパート借りて、大学に行くって言う事しか考えてなかったから、偶然マイク会長に会ってランチを御馳走になって、そのまま屋敷に住む事を勝手に決められて...
あの時は、全く笑えない程戸惑った。
最初はその強引さに呆れたけど、エドワードの家族はみんな本当の家族のように接してくれて..
特にジョンはね、年が近いせいかすぐに仲良くなれて...
普通なら他人が自分の家に住むなんて絶対イヤでしょ？
きっとジョンは一緒に住む事を反対するだろうと思ったのに、快く受け入れてくれた...お母様もね。
皆、本当に温かい人達なの。
あたしの為に気を使ってくれて、使用人の数も最初は減らしてくれたしね..。
この三年、すっごくお世話になって来たから、あたしは仕事で恩を返してる。
あたしが出来るのは、仕事を成功させる事だけ。
それだけを考えてここまで来た。
いつのまにか『世界のケイト・ウィルソン』なんて言われてたのには驚いたけど..
それもエドワードの家族のおかげ。
自分の力じゃないと思ってる...」
牧野が『ケイト・ウィルソン』として作り上げて来たものは、エドワードの家族があってこそ..
牧野らしいと思った。
俺がもし牧野なら、そんな風に思えるのだろうか...きっと、無理だろうと思う。
「牧野、俺今まで本当にバカだった..。
お前も知っているだろうが、仕事は適当にしてきたし、いつもお前を捜す事で頭がいっぱいで、回りが見えなくて..
誰の話にも耳を傾けなかった。家族さえも本当にウザくて仕方なかったよ。
お前のように『家族の為』とかなかったしな。
でもよ、ジョンの話で目が覚めて、家族を見たら辛そうな顔してんだよ。
頻繁に会ってたのに全然気付かなかった。
その時な、ジョンに言われた『辛いのはお前だけじゃない』って言葉を思い出したんだ...
俺のせいで家族が苦しんでいた。
それに気付いたら、後は道明寺を立て直す事しか考えられなかった。
でも、今までろくに仕事をして来なかった俺に出来ると思うか？」
俺は牧野を見つめ、今の不安を口にした。
牧野は、何て言うだろうか。
もしかしたら『無理だよ』って笑うかもしれないな..
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2022年1月11日 15時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 初めまして、とても面白くて一日で全話読んできました。色々大変かとは思いますが更新楽しみにしています。 (2021年12月10日 18時) (レス) @page4 id: df7faafefb (このIDを非表示/違反報告)
r.s(プロフ) - とても面白い作品です！！更新楽しみにしています！！ (2020年8月9日 4時) (レス) id: f0dda2e9a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ す か 。 | 作成日時：2020年5月10日 13時
