172 ページ23
Aside
.
「本当に、牧野が...？嘘だろ..？」
「...本当なの。
今まで連絡もしないで...
その上『ケイト・ウィルソン』って知らせなくて、ごめんなさい...」
美作さんは暫く黙ってしまったけど、次に発した言葉は予想もしない言葉だった...
「...まぁ、言いたい事は山程あるけど..牧野は無事に見つかったし、類は大好きな牧野と婚約出来たし...俺にとって嬉しい事ばかりだから、許してやる。
もし会えたら、絶対に言ってやるって思ってた事あったけど、もう忘れちまったしな...。
ただ、一つだけ...牧野、類を幸せにしてくれ。
俺は、それだけ言えれば十分だ――」
「あきら...」
「美作さん...
もちろん、絶対類を幸せにする...」
「あぁ、その言葉が聞けたら、俺は十分だから...
しかし牧野、お前本当に綺麗になったな？
類と婚約してるのがもったいないぜ...。
総二郎も見たら、ビックリするだろうな。」
「ちょっと、あきら。
俺と婚約してるのがもったいないって何？
さっき、俺を幸せにしてあげてって言ったのはウソなの？
ちょっと感動したのに...」
「まぁまぁ、類。そう怒んな。
さっきのは本心だから。
それより、緊張が解けたら腹減ったな...。
俺、昨日から何も食べてないんだ。
二人とも昼、付き合ってくれんだろ？」
本来の目的を果たした美作さんは、さっきまでの緊張はどこへ行ったのか...
昔と変わらない口調であたしに接してくれた。
やっぱり、会えてよかった――
そう思う...
「じゃぁさ、お昼は近くのレストランにして、夜はうちで再会パーティーしよ？」
「...うち？」
「あぁ、あきらは初めてだよね。
牧野はエドワードの会長の屋敷で世話になってるんだ。」
「....は？エドワードの会長...
ダメだ！そんなお屋敷にお邪魔出来る訳ないだろ！
牧野、お前最強過ぎるぜ...
会長の屋敷に住んでるのも凄いけど、会長と知り合いなんてそこからおかしいだろ...
あとで、じっくり聞かせてもらうからな...」
「はいはい、分かったから――」
こうしてあたし達は、会社のロビーを抜けてレストランに移動した。
あたしに頭を下げてくる社員達を見て、美作さんが「やっぱりお前が...」とか意味分かんない事言ってる...
レストランで軽く食事を済ませ、秘書が迎えに来てあたしは先に仕事に戻った。
美作さんと類に、夜会う事を約束させて――
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおん(プロフ) - あの、一番が見たいのですが、パスワードが分からないので教えて下さい！ (2020年6月30日 17時) (
レス) id: 6b027146c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ す か 。 | 作成日時：2020年5月9日 12時
