甘いだけじゃダメだから[雪男] (ページ3)

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Kjmm[年上だった。] ページ3

黒side

深夜1時。
今日は23時に帰宅したから、普段なら寝ている時間俺はリビングにいる

勿論夕飯も食べたし風呂にも入った、でも何故かベッドに潜ろうとしても、足が動かない。
…寝るの、怖いな。

今日、撮影で失敗をした。

ドラマの撮影、朝から気分が悪くて覚えていセリフも、こうやって動こうと決めていた動きも、サラッと出来なくてスタッフさん、監督さん、沢山の方にどうしたの？目黒くんと言われて今日はここで終わりにしようか。
撮影なんか殆ど出来ていなかったのに、その優しさが俺には辛かった。
理由は、たぶん、わかる。

リビングから出て、寝室に向かう

ヒタヒタと足に伝わる冷たさが、俺の心を表しているみたいで

あぁ、苦しいな。

寝室につき、俺が向かったのはベットではなく下着が入っている小さな棚

棚の上にある、1枚の写真

「こぉじ、、、」

それは、俺の恋人である、向井康二の写真。
最近、康二と一緒に過ごす時間が少ないんだよね、楽屋では康二は舘さんとか、佐久間くんとかと楽しそうにしてるから入る隙がないし
雑誌撮影も、最近一緒になることが少ない
テレビの収録だって、バラエティに沢山呼ばれている康二と、ドラマや映画などに呼ばれている俺とじゃ、会える機会なんてレギュラー番組以外中々ない。
帰る家だってちがう、性格もちがう、おれ、可愛くもない

俺なんかが、康二の隣にいて良いのかわからない。
もっと、素の中で愛嬌があって可愛くてでも時に怒れる、素敵な人。
例えば佐久間くんとか。
佐久間くんと康二…お似合い、だよね。
佐久間くんに沢山甘える康二と、それをニコニコ受け入れる佐久間くん。
たまに佐久間くんが溜め込んだ時は康二が、支えて…
2人で毎日笑いあって、楽しそうに過ごすんだろうな、、

そんなことを考えていたら、ふとリビングの方から着信音が聞こえた。
こんな時間に誰だろうと思いつつ、足を動かしてリビングにある携帯を取りに行く。

「…こうじ。？」
普段なら寝ているであろう康二から、電話がきていた。
あぁ、なんだろう、振られるのかな
震える手で電話に応えると

『めぐくん。こんな時間にごめんなぁ？起こしてもぉたか？』
優しくて、俺にしか出さない甘い声で、話しかけてきて
「こ、ぉじ、くん」
ほろほろと、泣き出してしまった。
『…なんかあったん？蓮くん』
あぁ、優しくしないで…
「な、んにもない…ごめ、」
優しくされたら、溢れたものが、止まらないから