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そう呟いた阿部ちゃんはこの世の地獄でも見たような目で佐久間先生を見ていて
「……阿部ちゃんって優しいけど時に誰よりも酷い人だよね」
怖くなったおれは、それとなくしかいえなかった。
ベッドに腰をかけ
「んで、めめは何について悩んでたの？」
と早速聞かれたので
「…向井先生と会える日が少ないこと……おれ。ずっと向井先生と二人でいたいのに、日曜日の午前しか家で会えなくて仕方ないんだけどさ、寂しいじゃん…向井先生学校では2人きりになってくれないし…」
ぽろぽろと少しの不満を阿部ちゃんにぶつけると
「んー、おれは年の差ある彼女じゃないしそもそも女の子だから的確なことは言えないんだけど……それはたぶん、少しくらいわがまま言ってもいいんじゃない？らいんとかもってないの？」
らいん……
「もらっ、て……ない」
「いやそれは貰いな？？？ほら、職員室行くよ」
「えっ、え？！」
「俺が佐久間先生連れて少し出るから向井先生にらいんつないでもらって、会えない時電話とか連絡入れたりしてもいいですかって聞くの、いいね？」
阿部ちゃんの圧に押されたおれは分かった、としかいえなかった
行動力の早い阿部ちゃんはすぐ先生を呼んで
「んじゃおれ佐久間先生に用あるから2人は話してなよー？」
とだけ言い残して(まだ仕事あって焦っている)佐久間先生を連れ出した阿部ちゃん
……ごめんね佐久間先生。
「なぁ、めめ？なんかあったん？聞きたいことって」
2人きりの時はめめって甘く呼んでくれる先生、どうやって向井先生にいえばいいんだよ、って悩んでたら先生の方から話を聞いてくれたから
「ぅ、は、はい…あの、おれ。もっと向井先生と会ったり喋ったりしたいんです…だから、せめて電話とか、そういったお話出来るようにその…らいんとか、なにかつないだりしちゃだめですか……俺毎日寂しいんです。」
最後、少し向井先生に抱きついてしまったけど、いいたいことはすべていえた。
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作者名：絹ごしぷりん | 作成日時：2022年9月11日 0時
