342.私side ページ42
342.
《Aside》
お酒のチカラを借りて正門くんに恭平のことを話してしまった
私が話したすぐあとから正門くんは自分の口を手でおさえてずっと「えぇ…｣って言っていて…
そんなに恭平と私って不釣り合いなのかな…
ってちょっとイラッとしちゃって正門くんが飲んでいる途中のビールを取り上げて飲み干した
一気に飲んだからフワフワする意識の中で、
"恭平が私に本気"なんて嬉しいことを正門くんが言うから…
お酒のチカラと正門くんの言葉のチカラだけで見たくないネット記事を見て不安になってた気持ちなんてどこかにいってしまった
だからもう大丈夫なんだけど...
"不安でたまらない" なんて私が言ってしまったから正門くんは本気で私のこと心配してくれていて...
私が不安になってる理由を話すまでたぶん引いてくれそうにない。
...でも...恭平のネット記事のことは話したくないなぁ...
…あっ…そうだ...
A｢…大ちゃんが悪いの。私がちょっとしたことで不安になるこんな性格にしたのは大ちゃんなんだから｣
正門｢…そうかもしれへんけど...なんで今さら大吾？｣
…さすがに無理があるよね。それならこのまま話を変えたい。…大ちゃん 本当ごめんね。もうちょっとだけ助けて…
A｢あっ、ねぇ正門くん 携帯かして。大ちゃんにどうしても今ひとこと言いたい｣
正門｢自分の携帯から連絡したらいいやん｣
A｢…大ちゃんの連絡先消したから連絡できないの」
正門｢そうなんや。携帯貸すのはいいけど...今 電話はあかんで。メールならいいと思うけど…｣
A｢…じゃあ大ちゃんにメールさせて｣
正門｢わかった。でも、俺に１回見せてから大吾に送って。Aは前科があるからな｣
…あぁ…酔ってるときに "正門くんと2人で飲んでる" って大ちゃんにメールしたことあったな…
正門くんは携帯のメール画面を開いて私に携帯を貸してくれた
…借りたはいいけど…どうしよう…
大ちゃんにメールしたいことなんて本当はないんだけど…
あっ そうやん！ある！大ちゃんに本当は直接伝えたかった言葉…
文字を入力して送信する前に正門くんに携帯を返した
正門くんは優しく微笑みながら私の頭をポンポンとして…
正門｢A…大吾これ見たら絶対泣くで...」
A｢…やっぱりダメかな…｣
正門｢ううん。送っとくな」
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作者名：音香-otoka-
| 作成日時：2021年12月11日 17時
