334.私side ページ34
334.
《Aside》
新居に引越してとりあえず寝る場所だけはちゃんとした。あとテレビも...。
恭平が "デビュー日の前の日生放送の歌番組に出るから見てな"って言っていたからすぐに観れるように業者さんにちゃんとしてもらった
放送時間とか何も聞いてないから自分で調べようと検索してたら見たくない恭平の記事と画像が出てきて...詳しくは見ないで閉じたけど...
ため息をつきながら久しぶりにビールの缶を持ってテレビの前に座って…
ビールの缶を開けてゆっくり飲み始めたけど久しぶりに飲んだからか酔いが回るのが早くて少しボーッとし始めたときに画面に恭平が映って...恭平の顔を見たらさっきちょっとだけ見てしまった記事を思い出して涙が溢れ出して...
テレビを消そうとしたら違う曲が始まって…
その2曲目には正門くんがいて…
私は画面の向こうにいる正門くんに手を伸ばした
｢正門くん…助けて…｣
... ... ...
「...寒っ...」
目を開けたらテーブルに顔を伏せていて...
時計を見たら朝7時。
...寝落ちしちゃったんだ...
顔を上げたらつけっぱなしのテレビから大ちゃんの声が聞こえてきて…画面の中で大ちゃんがしゃべっていて...
…あぁ…今日はデビュー日なんだね…
大ちゃん デビューおめでとう...
…恭平、ごめん…今日だけは1番最初に大ちゃんを想わせて…。
大ちゃんが画面からいなくなってからテレビを消して...
今日も休みだから引越しの荷物の片付けの続きをしようと思ったけど昨日の夜お酒飲みながら寝落ちしたせいか頭が痛いし体もしんどくて...
荷物の片付けを今日はやめておいて...
携帯を変えたから新しい連絡先を家族と職場の同僚にメールして...
恭平にだけは新しい携帯の連絡先と新居の住所をメールしておいた
...あぁ...やっぱりダメだ...本当にしんどい...
とりあえず寝ようとベッドに倒れ込んだ
…あぁ…頭が痛い…クラクラする…
...誰か助けて...
…恭平…
…恭平…
… … …
…正門くん…
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作者名：音香-otoka-
| 作成日時：2021年12月11日 17時
