93. 私 side ページ44
93.
《Aside》
ツアー中は電話はしない約束なのに"電話していい？"ってメールがきて、
私が返したメールは既読になったのに返信はこないまま３分後くらいに携帯が鳴りだして…和也から着信
A「もしもし」
大橋「A？…久しぶり」
…久しぶりの和也の声だ…
A「うん。久しぶり。…電話、よかったの？」
大橋「…うん。今日は誕生日やから特別にいいことにした(笑) あっ、顔見て話したいからビデオ通話にしていい？」
A「うん」
ビデオ通話に切り替えた
大橋「あっ、見えた。Aも俺のこと見えてる？」
A「…うん」
大橋「今日わざわざ家に来てくれたんやってな」
A「うん。和也に言わずに行ってごめんね」
大橋「ぜんぜん大丈夫(笑)お母さん、Aが来てくれたことめっちゃ喜んでたし、"Aちゃんと2人でランチでも行けばよかった〜"って言ってたし。笑」
A「えっ、嬉しい」
大橋「Aのことがかわいくてたまらへんみたい(笑) あっ、それより、これ！」
和也は私がプレゼントした袋を画面越しに見せて…
大橋「こんなに高いのほんまにもらっていいん？」
A｢うん。和也がピアスあけた春から誕生日プレゼントは絶対これにしようって決めてたの｣
大橋｢そうやったんや。あっ、ちょっと待ってて」
携帯の画面には和也の部屋の天井の静止画(笑)…と、和也の足音と「ヤバッ、めっちゃいい！」って和也の声。
1分後に和也が画面に映って…耳には私がプレゼントしたピアス
大橋「つけたんやけど、見て、見て。笑」
A「うん。似合ってる。笑」
…絶対に和也に似合うと思って選んだけど…本当、似合っててかっこいい…
大橋「…A」
A「ん？」
大橋「ありがとう。ずっと大切にするな」
耳を触りながら優しく笑う和也にドキッとして…ちょっと寂しい気持ちになった
A「和也」
大橋「ん？」
A「24歳のお誕生日おめでとう。…大好きやよ」
大橋「…ありがとう。A、俺も大好きやで。…なんか画面越しのほうが照れるな。笑」
A「そうだね(笑)…あっ、和也。それともうひとつ…」
大橋「ん？なに？」
A「…デビュー決定おめでとう」
大橋「…ありがとう。…"おめでとう"って言ってくれてほんまにありがとうな」
画面越しでもわかるくらい和也は目に涙をいっぱいためて、少し寂しそうな顔で笑った
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作者名：音香-otoka-
| 作成日時：2024年1月23日 16時
