189.大吾side ページ39
189.
《大吾side》
コンサートは楽しかったし、
Aから "かっこいい" と "好き" を言ってもらったし最高に気分がいい
ほんまは家に入る前 ちょっとだけ怖かった。
正門に泊まっていくように言ったのは俺やけど、
家に入ったとき前みたいに嫌な空気感じて自分がどうにかなってしまうんじゃないかって…
でも前みたいに嫌な空気はぜんぜん感じなくて...
...よかった。正門と2人っきりでも何もなかったみたいやし、やっぱりAは俺だけ見てくれてる...
ってホッとして...
お風呂から出て脱衣場で服を着てたら、
入る前は気がつかなかったけど洗面台の下の扉がちょっと開いていて閉めようとしたらチラッと何か見えて扉を開けて…
…なんでこんなところにゴムが置いてあるん？…
箱を手に取って中を見たら箱に書いてある個数より１個少ないし、
ゴムと箱と一緒に俺のじゃない歯ブラシとか置いてあるのもみつけて…
...あぁ...この箱は正門のか…
手に取ったもの全部元に戻して扉を閉めた
…1個減ってたから1回したんや…
...無理…俺以外の男がAに触れるとかマジで無理やねんけど…
上裸で脱衣場から出て、キッチンに立ってるAの手を掴んで強く引っ張って抱き寄せて...
A｢...大ちゃん...？｣
...俺はなにしてんのやろ...
大吾｢…ごめん…なんでもない…｣
抱きしめていた体を離して…
大吾｢今日はもう寝よか｣
A｢…うん｣
大吾｢服着たら行くから先に寝ててええよ｣
A｢うん。先にベッドに行ってるね｣
Aが寝室に行ったあと自分の髪を片手でくしゃくしゃっとして...脱衣場に戻って服を着て…
寝室には行かずにペットボトルを持ってベランダに出てフェンスに寄りかかって水をひとくち飲んだ
Aと別れることは自分で決めたことやし、
Aみたいないい女なら俺と別れたらすぐに男ができるのはわかってる。
...でも...嫌や...苦しい...誰にもAを取られたくない...
...でも...別れるしかないんやから我慢しないとあかん...
そんなこと考えながら深くため息をついていたらうしろから抱きつかれて…
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作者名：音香-otoka-
| 作成日時：2021年9月28日 23時
